封鎖に関する法的説明

オリジナル
http://www.faslane365.org/en/legal_briefing_for_blockading

私たちは長年にわたるファスレーン封鎖の経験に基づいてこのブリーフィングを書いています。数百人が逮捕されましたが、それ以上に多くの人が逮捕されることなく封鎖に加わり、参加したほとんどの人が前向きな、解放感さえある経験をしています。

長年の経験から警察のやり方やかけられる容疑については大体予想がつきますが、このプロジェクトではさらに封鎖の効果を拡大させたいと考えています。一日の封鎖ではどんなに大規模に、効果的に行おうと、当局は対処し得るので、無視できない形で実施しようということからファスレーン365が計画されました。したがって、当局は戦術を変えでくるかもしれないし、今までファスレーンでは使われなかった法律を適用したり、力の行使をするかもしれません。しかし、たとえそうなっても、私たちは団結し、この問題に十分立ち向かえると信じています。そのような事態が生じれば、法的支援専門グループが情報と助言を与え、足並みを揃えて対応できるよう助力します。

法的支援

直接的な法的支援は、このプロジェクトが独自に、分散して行われることから、それぞれの封鎖グループの責任となりますが、法的支援専門グループも支援と助言を行います。専門グループはまた、それぞれの封鎖グループで法的支援を行っている人々の間の調整を行い、裁判所が様々な事例に対し、どのように対応しているかについての情報を提供します(出来る限り!)。新しい法的戦術がとられたら、皆さんにお知らせし、共に対処することが出来るよう助言と連絡ルートを提供します。封鎖グループ内で法的支援をする人には法律の知識は必要ありません。彼らの役目は、あなたが逮捕された時、どこに拘束されているかを知り、あなたが望むなら友人、家族、職場に伝え、必要とするなら弁護士に伝え、また、釈放された時迎えに行く人や、裁判所に行く時に(あなたがもしも裁判所に移送される時は)同行する人を確実に手配することです。私たちは彼らに必要な助言を与え、トレーニングを行います。

適用される可能性のある罪状

ここでは、最悪のシナリオについても述べていますが、実際には秩序違反や公務執行妨害以上の重い罪に問われる可能性はほとんどないといってもいいでしょう。

封鎖

基地の入り口に近づいていくと、おそらくある地点で警察に立ち退くよう言われるでしょう。拒否すれば逮捕されるかもしれません。なぜ私たちがそのような行動をしているのかを考えれば、課せられる罪が‘平和を破壊する’秩序違反とは皮肉なことです!警察は個人を逮捕する前にグループ全体に警告を発することがあります。過去のファスレーン封鎖の経験によると、歩道にとどまるか、移動するように言われた時、それに従えば、逮捕されることはまずありません。しかし、警察や基地が差し止め命令、または同様のものを得ている場合はこの限りではありません(下記参照)。法的支援専門グループは、あなたのグループの法的支援チームに、常にこれに関する最新の情報を伝えます。

秩序違反罪 (Breach of the Peace) は、普通法上の罪状(国会制定法というよりは判例法-コモンロー)です。秩序違反罪は数世紀前にできたものですが、第一級の判決(秩序違反罪を定義する最高法院の判決)が出たのはかなり最近で、ファスレーンを封鎖した反核活動家に与える影響は大きいかもしれません!理論的には、秩序違反罪は一般の人々に恐怖感を抱かせ、社会に混乱をもたらす恐れがある行為に対して課せられるべきものです。それは、善良な市民に真に恐怖や混乱をもたらす行為であるべきであり、単にいらだたせる程度の行為には該当しないことは明白です。しかし、実際には、裁判所はファスレーンの道路での平和的な座り込みにも適用されると判断し、有罪となる可能性が高いのです。

しかしながら、たぶん全員が起訴されることはないでしょう―― 裁判所の処理能力には限界がありますから。定額罰金通知を受け取る人もいますが、それはスピード違反の罰金のようなもので、支払いに応じれば(通常50ポンド[約11,200円])、前科がつきません。すぐに釈放される場合もあれば、起訴される場合もあります。起訴は地方裁判所か州裁判所のどちらか(地方検察官が選びます)に提起され、通常、有罪を認めれば、50ポンドから100ポンド、無罪を主張すれば、100ポンドから200ポンドの罰金を支払うことになります。私たちを裁判にかけ、やる気をそぐために用いる手段の一つは、この罰金の額を上げることです。これに対しては異議を申し立てることが出来ます。(過去に控訴して減額させた例があります)

封鎖に対して当局が課すことのできる法律違反は他にもあります。−たとえば、スコットランドの道路法など。しかし、それらの違反の程度は同じようなものであり、弁護するのにより難しいというものではありません。

逮捕への抵抗・公務執行妨害

フェンスなどに体をくくりつけ、立ち退くように言われても、また、逮捕されても、その場を動かなかったら、当局はこれらの罪の一つを加えるかもしれません。これ(特に逮捕への抵抗)は、事件が裁判所に送検される前に取り下げられるかもしれませんが、起訴される可能性もあります。秩序違反罪と同様に、これらの罪は非常に広範囲に適用されるので、理論上、上限は高いのですが、この行動が非暴力で正当な主張にもとづいていることを考慮すれば、非常に軽い罪であり、通常少額の罰金に終わるでしょう。

共同謀議

当局が先手をとって、中心的立場にいる人たちを共同謀議の罪で逮捕する可能性は常にあります。これは、より重い罪になるかもしれませんが、政治的な共同謀議の容疑(政治的陰謀容疑)をかけることは、政府にとっても面倒を招くことになるので、この可能性はまずないでしょう!この容疑がかけられる危険がもっとも高いのは運営グループのメンバーです。私たちはすべての封鎖グループが万一に備えてお互いの詳細な連絡先を確実に所持できるようにします。

その他の違反

ファスレーンは重大組織犯罪および警察法2005の129項(テロリズム法 2006 で修正された)による指定地域です。従って、正式な許可証を持たずにフェンスの中に入ることは、法律違反となります(最高で禁固一年の刑が課せられる可能性があります。)しかし、これはフェンスの中に入った場合にのみ適用されます。フェンスの外にいる限り、国防省の土地にいてゲートを封鎖していたとしても、この法律で罪を問われることはありません。この法的権限についてのくわしい情報は、新たな法的権限について述べたトライデント・プラウシェア・ブリーフィングを参照してください。

当局が治安法の14項(当局がある状況における集会に条件をつけることを認めるもの)を使う可能性もあります。そのやり方に応じてこれに異議申し立てをするいくつかの方法があります。有罪になった場合、あり得る判決はやはり少額の罰金です。それによって、参加したいが逮捕の危険をおかしたくない支援者たちの活動がさらに制限されることになるでしょう。しかし、14項を適用するのであれば、当局は私たちが集会をしてもよいスペースを与えるべきです。もし、集会が全面禁止になれば、支援者たちは常に逮捕の危険にさらされることになります。14項の条件の詳細がわかり次第、私たちは逮捕の危険をおかさずに何ができるかを助言します。集会の自由、表現の自由に対する権利は、ヨーロッパ人権条約 に明記され、スコットランド法と人権法を経てスコットランドの法律として正式に記されていることを忘れないでください。この治安法があまりにも厳しく適用された場合、私たちは当然異議申し立てをすることできます。

国防省、地元当局または警察が、反社会的行動禁止命令(ASBO)または差し止め命令を手に入れようとする可能性もあります。これは私たちの行動が効果を上げている証拠です。支援者たちは活動しにくくなるかもしれませんが、ASBOは14項などについて前述したものと大きな違いはないでしょう。差し止め命令を要請するのは彼らも必死である証拠です。それに対しては、すべての封鎖グループが共同で対応する必要がありますが、私たちはうまく対処し、乗り越えることができるでしょう。

最後に、何らかの「混乱」が生じた場合、それが私たちのせいであろうとなかろうと、彼らは騒乱罪 のようなより重い治安法違反を適用しようとする可能性があります。これは基本的には集団的秩序違反なのですが、より重い罪状だと考えられ、陪審裁判になります。その場合は、裁判官よりも陪審員の方にあなたの行動の正しさを納得させやすいと考えられています。

当日

バストカード

法的支援チームと事務弁護士の電話番号を必ず所持すること。これはバストカードの形で渡されます。あなたの手や腕に番号を書いておくのも良いでしょう。

バストカード:法的支援チーム、事務弁護士の電話番号や逮捕に際しての注意などが書いてあるカード

釈放されたらどうすればいいか?

警察が個人情報を確認し、取り調べが終われば、すべての所有物を返され釈放されるはずです。拘留されている人が多い場合は取調べに時間がかかるので、長時間待たされる覚悟をしておくこと。警察署の出口では誰かが待っていて、車を手配してくれることになっています。あなたの法的支援チームに釈放されたことを知らせてください。

裁判のために留置されたらどうなるのか?

重大な違反の容疑がかけられている、個人情報が確認できない、すでに保釈中である、逮捕状がでている、当局が私たちを裁判にかけ意欲をそがせるための新戦術とった、などの場合、留置され翌朝裁判所に移送されるでしょう。あなたは事務弁護士に弁護を依頼するか、助言だけしてくれるよう頼むことが出来ます。たぶん一般的な保釈条件で釈放されますが、保釈中に再び逮捕されれば、追加の罪状が加わることになります。通常、スコットランドでは保釈には保釈金を必要としませんが、代わりにファスレーンの一定の区域に入らないなどの特別な条件を課すことができます。しかし、あなたが望むなら、反対の意見を述べる機会が与えられるはずです。保釈条件に違反した前歴がない限り、このような種類の罪状では保釈される可能性が高いでしょう。

警察から釈放された後、なんらかの通知があるか?

警察は、次の数日または数週間以内に指定の期日に裁判所に出頭するという条件で釈放することがあります。確約書(undertaking)にサインせずに釈放された場合、裁判所に出頭を命じる召喚状または、定額罰金通知書が一年以内に郵送されてくるでしょう。

(ここまでの訳:東京YWCAいるぶ・Y)

外国人活動家のための法的説明

このブリーフィングは、ファスレーン365封鎖グループの一員として逮捕される危険のあるイギリス人以外の活動家や、イギリス国外居住者のための追加的な情報です。ここでは外国人活動家のために、イギリス国民と異なる点や追加する点についてのみ説明しているので、一般的な法的説明も合わせて読んでおいてください。

(資料集およびwww.faslane365.org/legal参照)

外国人活動家とは?

私たちの経験によれば、スコットランド当局は、たとえイギリス国民であってもイギリス国外居住者に対しては外国人活動家として扱います。今までの私たちの経験では、合法的にイギリスに住んでいる外国籍市民は、通常、イギリ国民と同様に扱われ、国外追放になるようなことはありませんでした。しかし、最近メディアで「外国人犯罪」について大きく取り上げられるようになり、政府は、外国籍市民がイギリス国内で有罪判決を受けた場合、国外追放が適用される可能性が高まるだろう、と述べています。私たちはこのような軽微な違反に国外追放が適用されるとは思っていませんが、この罰則が実際に適用されたケースがないので、確かなことは言えません。www.faslane365.org/legalで最新情報をチェックして下さい。

外国人活動家はどのように扱われるのか?

今までは、外国人活動家はイギリス国民と同様の扱いを受けることが多かったのですが、場合によっては異なることもありました。そのひとつは、外国人活動家は警察から直接釈放されるのではなく、裁判のために留置されてから保釈される可能性が高いということです。時には、当局はすべての外国人活動家に確約書(undertaking)にサインするよう求め、拒否した人を翌日に法廷に連れていくまで留置することもありました。

パスポートは携帯すべきか?

イギリスではたとえ外国人でも、パスポートの携帯を要求されることはありません(入国するには、EU諸国からでさえパスポートが必要ですが)。自分のパスポートを行動時に持ち歩きたくなかったら、逮捕される危険のない人にパスポートを預け、あなたの法的支援チームに誰に預けたかを知らせておいてください。このところ、そのような必要はありませんでしたが、過去に、警察が外国人活動家の住所を確かめることができないので、釈放する前にパスポートの提示を要求するケースがありました。

警察官や裁判官の言葉が理解できなかったら?

警察でも、裁判所でも、あなたには通訳を要求する権利があります。これは、日常会話が英語で不自由なく話せる場合でも適用されます。法的手続きには専門の用語が使われ、強い訛のある警察官もいるので、どの段階でもためらうことなく通訳を要求してください。あなたには要求する権利があるのです。必要な場合は、要求し続けること。通訳を探している間に手続きが遅れてしまうことのないように、出来るだけ早く要求することを勧めます。

逮捕されたら、本国の大使館に知らせてもらえるのか?

あなたには、逮捕されたことを本国の大使館または領事館に知らせてもらう権利があります。あなたの国籍によって、警察は要求しても、しなくても大使館や領事館に知らせる場合があるし、要求したときだけ知らせる場合もあります。通訳を必要とすれば、当局は大使館を通じて手配する可能性があるので、いずれにしても大使館/領事館はあなたの逮捕を知ることになるでしょう。

裁判所の審問に応じなかったら,逮捕・本国から引き渡しをされるのか?

単なる封鎖行動ではそういうことはありません。これは、国際逮捕されるほど重大なケースではありません。しかし、いずれにしても、イギリスで令状は出されるので、将来イギリスに戻ったとき、空港や港で逮捕されるかもしれません。裁判所の審問を受けなかった場合、召喚状は最終的に取り下げられるでしょう。有罪になり、罰金を払わなかったら、召喚状の効力は更に長くなるでしょう。

保釈のためのイギリスの住所は必要か?

多くの場合、イギリス以外の住所を持つ人も、他の人と同じように釈放されます。過去の封鎖で、当局がすべての外国人活動家に確約書(undertaking)にサインすることを求めたことがあり、多くの外国人活動家はそれを避けるために、逮捕時にイギリスの住所を告げました。裁判のために留置され、保釈されることになった場合、ヘレンスバラ裁判所は外国の住所でも受け付けてくれます。しかし、イギリス国外の住所を告げた人の保釈を拒否する裁判所もあります。

あなたが国外に住んでいるなら、必要なときに使えるイギリスの住所を用意しておくといいでしょう。逮捕時にイギリスの住所を告げるか、自分の国の住所を告げて外国人であることを主張し、保釈に必要な場合に備えてイギリスの住所を取っておくかは、あなたの判断にまかせます。

逮捕時に住所を告げると、当局はそれを照合します。イギリスの住所を告げると、通常、当局は地元の警察官をあなたの居住地に行かせて確認するか、電話番号も答えた場合は、そこに電話をして確認します。したがって、イギリスの住所を答える場合、居住を証明してくれる住人がいて、あなたがそこに住んでいることをすべての住人が知っているようにしておく必要があります。召喚状等はすべてその住所に送られるので、引っ越す場合は、召喚状等があなたの所に必ず送付されるようにしておく必要があります。

(訳:東京YWCAいるぶ・K)