乳がんかもしれないと不安なあなたへ


−しこり−

ふと触れてみた乳房にしこりがあった!頭に浮かぶのは「乳がん」・・・
病院へ行こうと思ってもいったいどこへ行けばいいのだろう。
おっぱいのことだから婦人科?

乳がんが外科の領域だということをご存知ない方もたくさんおられるようですね。乳がんというのはずっと一般外科で扱われてきました。けれど、このごろでは、乳腺外科という専門医が増えてきています。

一般の検査ならばもちろん外科で大丈夫ですが、できれば乳腺の専門医を受診することが望ましいと思います。外科がある病院に必ずしも乳腺の専門医がいるとは限らないので、乳がんを心配したらできるだけ専門医のいる施設を探してみることをお薦めします。

しこりがあっても、そのほとんどは良性のものが多く、検査を受けても8割くらいは良性という診断を受ける人が多いそうです。
でも、自己診断はいけません。悪いものではないということを確認したり、今後どんなふうに変化があるのか経過観察も大切です。

しこりを見つけたら勇気をもって専門医を訪ねましょう。不安を抱えているのはとても苦しいことです。自分の身体に注意深く、心配の種を見つけてしまったらできるだけ早くそれを解消するためにも、勇気を出して病院へ行きましょう。


−石灰化−
マンモグラフィ(乳房専用のレントゲン検査)で石灰化が見つかった。石灰化ってなぁに??と検索してここにたどりついた方も多くいらっしゃると思います。

石灰化といっても良性のことが多いのですが、中には乳がんの早期に見られる特徴的な石灰化というのがあります。がんを疑う石灰化の像は、微細石灰化といって、小さな砂粒のような白い点々が不規則に集っているように見えます。

乳がんに見られる石灰化というのは、乳管の中で増殖したがん細胞の中心部に栄養が行き渡らず細胞が壊死してしまい、そこにカルシウムが沈着したものです。
検査の技術が進歩してしこりになる前にがんが見つかるケースが増えてきています。また、しこりの周りや一部に石灰化した部分がみつかることもあります。

微細な石灰化像のみで、触知できるしこりがない乳がんだった場合は、ほとんどが非浸潤がん(DCIS)といって、がんが乳管の中だけにまだおさまっていて、浸潤をしていない、つまり転移を起こす能力をまだもたない超早期のがんが多いです。

アメリカは乳がん罹患率がとても高い国ですが、マンモグラフィによって超早期の乳がんが見つかるようになり、乳がんによる死亡率が減少しています。
石灰化の正しい診断は難しいし、診断をつけるための設備や技術はどの施設にでもそろっているわけではありませんので、石灰化が見つかったら、マンモトーム生検やステレオガイド下生検のできる施設を探して受診するのが良いと思います。

また、経過観察をして医師にきちんと経過を追ってもらいましょう。検査のたびに不安でたまらないけど、自分の身体を大切に思ってきちんと受けましょう。
―検診―
私は、たまたま毎年受けていた夫の会社の主婦検診で乳房にのう胞が見つかりました。精密検査を勧められ、専門医を受診したところ、問題なかったのですが、偶然にも反対側に乳がんを強く疑う石灰化が見つかり乳がん早期発見へつながりました。ラッキーだったと思います。

市町村でも30歳以上とか40歳以上を対象とした乳がんや子宮がんの検診が行われています。こういった検診の目的は、自覚症状のない健康な人たちの中に病気が隠れているのをみつけるために行われます。

スクリーニングと呼ばれ、少しでも異常所見のある人には病院への受診を促し正確な診断をつけるために行う「ふるいだし」の意味があります。
胃検診でひっかかって病院へ行き詳しく検査をしたら、何でもなかったという経験をもつ方も多くいると思います。
自覚症状のないがんなどの早期発見にもつながり、意味のあることです。

検診車が地域を巡回して検診をしたり、地域の病院や開業医のドクターの協力を得て検診は行われています。したがって必ずしも専門医が検査をするわけではありません。専門医だけではとてもまかないきれない人数を検査するのですから、どうしても専門外のドクターの協力は不可欠です。

スクリーニングである検診で何らかの異常が見つかった場合、おそらく要精検といった連絡がくるでしょう。上の「しこり」にも書いたように、通知は来た、でもどこへいけば専門医がいるのかわからない人も多いと思うのです。ですから、行政や検診医は異常が見つかった人へ、専門医を紹介するなどのフォローや指導を必ずしてもらいたいと思います。


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