>


乳がん検診

 がんの早期発見を目的とした検査にはいろいろな段階の検査がある。
「検診」は、特定の病気を見つけるために行う検査を指す。胃がん検診、肺がん検診、乳がん検診などがある。この検診にはさまざまな段階がある。
一次検診 特に症状のない人を対象に病気の兆候を探すスクリーニングのための検査だ。行政や会社などが行っていて、集団検診や個別に病院で検査を受けるというものもある。

とにかく少しでも疑わしき人を拾い出すのが目的だからちょっとした異常でも「要精密検査」とか「要再検査」などの結果がくることがある。
良い点は、安い費用で手軽に受けることができること。
注意すべき点は、検査の精度は決して高くはないので、一次検診だけで確実な診断が必ずつくとは考えないほうが良いと思う。

一次検診は、特に自覚症状などがなくおそらく健康だと思われる人が対象で、自分では気がつかないような軽微な異変などがないかを見るものだ。
少しでも異変があれば、その原因を確認するために再検査や精密検査を勧める知らせがくる。

乳がん検診では、この段階でしこりがあったり、マンモグラフィで石灰化が見つかると精密検査を勧められることになる。

一次検査で異常が見つかると、がんかもしれないと不安になる人も多いだろう。しかし、しこりや石灰化のほとんどは良性のもので、一次検査でひっかかった人のうち実際に乳がんが見つかる人はごくわずかだ。大切なのは、必要以上に恐れたり、逆に大丈夫と思い込んでしまわないで勇気を出して次の段階に進むことが大切だと思う。
受 診 自己検診でしこりを見つけたり、一次検診でしこりや石灰化などが見つかったら、病院で検査を受けることになる。できれば、乳腺外科が望ましいが、近くに見つからなければとりあえずは外科が担当だ。最近では乳腺外科医のいる施設をネット上で調べることもできる。
日本乳癌学会も、乳腺専門医の名簿の公開を始めたし、乳がん患者6人が立ち上げたサービスステーションVOL-NEXTでも、日本乳癌学会で認定されている乳腺専門医が在籍している施設を公開している。ただし、ここに載っていなくても、乳腺外科を有する施設はあるので、受診を考えたときは電話などで確認してみると良い。

乳腺外科を受診すると、視触診・マンモグラフィ・超音波検査などが行われる。ひとつの検査だけで乳がんの確定診断をつけることはまずない。必ずいくつかの検査を組み合わせ総合的に判断する。
しかし、視触診や画像診断はあくまでも、「がんの疑いが強い」または、「おそらくがんではないだろう」ということだ。
最終的に確定診断の決め手となるのは、実際に細胞を調べて、がん細胞の存在の有無が確認されることだ。

受診をしても、すぐには確定診断がつかず、3ヵ月後とか半年後とかに再検査をしましょうということも多々ある。経過観察というやつだ。
一次検診と受診による検診の違いは、前者が健康と思われるたくさんの人の中から乳がんの可能性が少しでもある病変を見つけるためのスクリーニングであるのに対して、後者は、特定の個人について、より精度の高い検査によってその病変について調べることだ。

自分でしこりを見つけた場合は、集団検診などの機会を待たず、できればはじめから乳腺外科で受診をしてほしい。しこり=乳がんではなく、良性の場合のほうがずっと多いので、勇気を出してぜひ専門医に相談してほしい。

乳がんは、自己検診でしこりを見つけて病院に行くというパターンがこれまでは多かったけれど、マンモグラフィの普及で、しこりになる前の段階で見つけることも可能になってきた。しこりの有無に関わらず、一次検診と受診の違いを知って適切な検査を受ける人が増えてほしいと思う。



→戻る