がんの社会学

 厚生労働省の助成金を受けた「がんの社会学」に関する合同研究班に支えあう会「α」も班長協力者として参加している。

静岡県立静岡がんセンターの山口建センター総長を主任研究者として全国のがん体験者の声を集め、がんの悩みに関するデータベースを作り支援ツールを構築するという研究班だ。

「α」の他におよそ20の患者団体が班長協力者として参加しており、アンケートの内容、配布方法、分析手法、概要版作成など、会議のたびにさまざまな議論が交わされた。医療者側と患者会の見解の相違も多々あった。

アンケートが実施されたのは2003年。そのアンケート結果は、まず概要版が「がんと向き合った7885人の声」として2004年6月発行された。今は部位別編が作成されている。

アンケートから見えてきた患者が必要としている支援ツール作成も徐々に行われつつある。「α」の活動のひとつに「がん相談」があるが、静がんでも「がんよろず相談」が設置され、てかなりの実績を上げている。

何度も足を運んだ静岡の班会議、「α」の活動と概要版への意見・配布後の反響についての発表など緊張する場面もあったけど、こんなふうに医療を提供する側と受ける側が共に協力してより良いものを作っていこうという意識が広がっていけばいいと思う。
医療者の意識の変化も少し感じられるようになった。
「患者の生の声を聞く・患者から学ぶ」ということを大切な研究の柱とし、この研究班に医療者ではない患者たちを入れることには反対もあったと聞く。会議室には研究員である医療者が半分、患者会が半分という比率ではじまるこの班会議だが、最初の数回は患者会の活動発表がプログラムに組まれていた。それはたいてい午後なのだが、昼食を終え会議室に戻ると医療者の大半の姿は消えていた。

しかし、徐々にではあったけど、患者会の発表にも耳を傾け関心を示す医療者が増えていったように思う。16年度最後の班会議では、作成された概要版配布後の反響について事前調査が行われ、当日は医療者サイドから3名、そして患者会サイドから2名発表することになった。「α」も発表を依頼され、私がやるはめになっていた。
その日は、かつてないほど班会議の出席者が多く、反響への関心の強さがうかがわれた。
ま、どーせ午後は医療者の多くはお帰りになるのであろう・・などと思っていたが、その日ばかりは午前中と人数が変わらない^^;
実際、患者会のほうが生の患者さんの声を集めやすい環境にあるわけだ。当初、患者という医療の素人の話をきくことに懐疑的だった空気はずいぶん変わってきたように思う。そして、医療者が患者に必要と考えていることと患者自身が必要と考えていることの違いも見えてきたように思う。そしてそれを議論することですり合わせていく作業がなされていったように思う。

静岡からの帰り道、「α」の仲間といつもため息まじりでつぶやいた。千葉でもこういうことができるようになってほしいなと。

蛇足だけど、静がんに通って富士山が見えたのはたったの1回!いつも富士山は雲の中。よっぽど千葉からのが見えるじゃん(-"-)
なんでだよ!(怒)




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