もやもや病とは




もやもや病は、1950年代の後半に日本の脳神経外科医によって初めてその実態に気付かれました.しかし、その病因が、はっきりしないため、 当初、いろいろな病名(もやもや病、ちりちり病、脳底部異常血管網症など)が付けられましたが、正式には 「ウィリス動脈輪閉塞症」と言います.このころ日本ではヨード造影剤を使って脳血管撮影がやっと可能となっていった時期で、 もやもや病が既成の疾患概念では説明出来ない血管撮影像を呈するため、一疾患概念で考えられるようになったのは、1960年代に入ってからでした. (このころの話は、西本の文献,1993に詳しいです).本来ある細い 動脈である脳深部の穿通枝が、不足する脳血流を補うために側副血行路 として発達するためであるその血管撮影の所見がタバコの煙のもやもやした様子に似ている ため「もやもや病」とも呼ばれ、こちらの方が一般的になっています(Suzuki, Takaku, 1969). 

もやもや病の病名の由来へ

もやもや病の病名”もやもや”について

Willis動脈輪閉塞症 (もやもや病):病名について

もやもや血管について(異常増殖血管?)


1994年の 時点での年間の治療を受けている患者さんの数は、約3900人とされています.



正常脳血管撮影像と「もやもや病」の脳血管撮影像


もやもや病は、脳虚血(脳への血液の供給が足りない状態)や脳出血 (脳を栄養している通常1 mm もない血管が破綻して脳組織に出血すること)で発症しますが、発症の年齢分布では2つのピークがあり、 10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30−40歳台の大人は、脳出血で発症することが多いです.(もやもや病患者さんの年齢分布).もちろん、子供での脳出血、大人での脳虚血も頻度は高くないですがあります.誤解しては困るのですが、20歳台、50-60歳台でも、もちろんもやもや病はおこりますが、頻度が少し低いということになります.

女性と男性の発症の比率は、1.8:1とされ、女性の患者の方が多いです.世界中で、もやもや病の報告はありますが、圧倒的に日本人に多く発生しています. 韓国も他の地域よりは多いとされています.

韓国のもやもや病について

世界のもやもや病について

病因は、今だ不明ですが、当初、先天性の血管奇形と考えられていたのですが(先天説)、その後1980年代までは、先行感染などが原因とする後天説が有力となっていました. しかし兄弟や親子発生が多いこと(約10%弱)や日本人に特異的に多く発生することなど先天的な要素もあり、両者の関与が考えられています.一部の症例は、 多因子遺伝の関与が考えられています.

脳虚血には、一過性脳虚血発作と脳梗塞があり、前者は24時間以内に症状が消え、元に戻る場合を言いますが、数分から30分以内に神経症状が消失することがほとんどです. 後者は、神経学的な異常が残ってしまうことが多いです.ラーメンを食べる時、息を吹きかけたり、笛・ハーモニカを吹いたり、全力疾走したときなど、 脳動脈が縮むため脳虚血になります、意識が悪くなったり、意識が遠くなる感じがしたり、手足の麻痺が出たり、言葉が出にくくなったり、四肢不随運動が出現したりします. 頭痛、痙攣(てんかん発作)、感覚の異常や精神症状が出ることもあります.進行すると知能低下もおこります.

脳出血がおこると、その部位に応じて症状が出ます.脳動脈瘤(脳血管に血管のこぶができ、これが破れるとくも膜下出血になります)が合併しこれが破裂すれば くも膜下出血が起こりますが、ほとんどの症例は脳内出血か脳室内出血が起こります.意識障害、運動麻痺、知覚異常、痙攣、精神症状(異常行動なども含む) などがあります.



「もやもや病」かしら?

もやもや病の初発症状

日本のもやもや病患者さんの数

もやもや病患者さんの年齢分布


もやもや病と小脳梗塞

もやもや病の謎

聖教新聞の健康欄での特集

もやもや病って、本当にあるの?