もやもや病の診断



診断は、臨床症状と画像診断で行われます.臨床症状で典型的な一過性脳虚血発作であれば、診断はさほど困難ではありませんが、 てんかんで発症したり、不随運動で発症することもあり分かりにくい場合もあります.てんかんと診断されて、抗けいれん薬を投与され、その後脳虚血の症状を呈する場合もあり、もやもや病の診断まで時間がかかる場合もあります.他に、「精神的なもの」とか自閉症と誤診された症例も経験します.

脳波検査でrebuild-up現象という所見がもやもや病の特徴とされますが、今ではMR検査・脳血管撮影により診断されるため、けいれん発作がある場合を除いて、脳波検査の診断的な意味はほとんどありません.


画像診断


X線CT (computed tomography): X線を使った断層撮影で、緊急時に脳出血と脳虚血の鑑別に有用です.CTで分かることは、出血しているかどうか?明らかな脳梗塞があるかどうか?です.CTだけで、もやもや病の診断は困難であるため、下記の核磁気共鳴画像法が、始めのステップとして必要になります.

もやもや病の画像診断は、主に、
脳血管撮影(カテーテルによる)と核磁気共鳴画像法 によって行われます.

診断には、細い管であるカテーテルによる脳血管撮影が基本ですが、この検査自身に危険性が伴うためその適応は慎重であるべきです. (私たちのやっている脳血管撮影について).最近は、
核磁気共鳴画像法 (Magnetic Resonance Imaging: MRI) による診断が主に行われています.MRIを用い 脳血管撮影法 (Magnetic Resonance Angiography: MRA) が、その診断に有用ですが、 カテーテルによる脳血管撮影に比較してその診断能力はやや劣る場合があります.小児もやもや病例を中心にMRI・MRAを用いての診断も可能になってきました. しかし、実際には、手術前には成人でも子供でも、脳血管撮影が行われることが多いです.その理由は、吻合する血管が、どの程度の太さがあり、 どこを走行しているのか、受け側の脳血管がどうなっているのか、血管撮影上での脳血流の悪い部位はどこか、自然と形成された血管吻合を手術で切断したく ないなどの理由があります.

脳血管撮影の実際の手技

診断基準が、厚生労働省の班会議(ウィリス動脈輪閉塞症調査研究分科会)で決められています.上段が1994年のもので、下段が2001年のものです.


診断の手引き 1994年                      

MRI・MRAによる画像診断のための指針 1994年


診断の基準 1995年                             

MRI・MRAによる画像診断のための指針 1995年



簡単にまとめると、以下になります.

1.頭蓋内の内頚動脈の末端、その近傍に狭窄や閉塞病変があり、 脳底部に「もやもや血管」が認められる.
2.これが、両側に認められる.


両側病変を、
確診例とし、一側にしか閉塞病変がない場合を 疑診例とされます.

除外診断して、動脈硬化、脳腫瘍、頭部外傷、放射線治療後、レックリングハウゼン病、ダウン症候群など基礎疾患がある場合が挙げられています.



しかし、世界的には、必ずしもこの診断基準で、もやもや病の診断がなされているわけではなく、血管構築が似た疾患群として「もやもや症候群」とか「もやもや現象」 のある疾患などと表現されています.


「もやもや病」かしら?

もやもや病の初発症状

もやもや病の病期について(1-6期)

1側もやもや病と類もやもや病について

類もやもや病へ (合併する全身疾患)

診断基準の問題点へ

最新の診断、治療の手引き (2001年)

重症度基準 (1998年)

妊娠時のレントゲン検査(神経放射線学的診断)のリスク

脳血流検査

もやもや病と脳血流検査

MRIとMRA検査の違いについて

脳血管撮影の必要性

MR検査・機器について

後方循環の狭窄・閉塞性変化

小・中学校の生徒のもやもや病について

中大脳動脈閉塞・狭窄症と「もやもや病」

もやもや病と原因遺伝子

小児のもやもや病 (文献紹介)

もやもや病の家族内発生