間接吻合術のEDASの合併症についての報告




Encephalo-duro-arterio-synangiosis (EDAS) の開発者であるMatsushima YらのEDASの周術期合併症についての1991年の報告です.


1990年までの10年間のEDASの合併症について報告しています.81人のもやもや病患者と8人の非もやもや病患者さんの169側へのEDASを行い、6人のもやもや病患者さんにいろいろな程度の脳梗塞がおこりました.うち2例は手術前に脳梗塞になりました.他の脳梗塞の多くは手術後の諦泣による過換気が主な原因でした.また術後のけいれんが原因で1例が脳梗塞になっています.2例で創部感染がおこったため、頭蓋骨を一部除去せざるをえませんでした.一人のもやもや患者さんは術中に全身麻酔の合併症である悪性過高熱になりました.1例で、術後にできた硬膜外血腫を緊急手術で除去しました.5人の患者さんは一過性の不随意運動の悪化をみました.低い発熱や創部の脱毛はしばしば認められました.死亡例はありませんでした.


これらの合併症の頻度は低いと考えられますが、比較的侵襲の低いEDASにおいても合併症が起こる可能性があることを認識する必要があります.病院に入院しても、術前に脳梗塞になる可能性があることと、手術が成功しても、子供の場合、術後に、採血やガーゼを交換するときに大泣きして脳梗塞になる可能性があります.このため、適宜、鎮静をしたりする必要があったり、また患者の子供と医療スタッフが仲良しになる必要もあります.


筆者のMatsushima Yらも、報告の中で、このような合併症の可能性があることを、手術前に、患者さん、その家族に脳神経外科医が良く説明すべきであると強調しています.