子供編




Q1 学校の体育での運動制限はありますか? 


A1 学童期のもやもや病の患者さんは、虚血症状で発症するため、両側の血管吻合術が奨められるのが一般的です.手術が終わり症状が安定した場合には、 運動制限をすることはあまりありません.しかしラグビー・サッカー・柔道・ボクシングなどの激しい運動については、あまり無理をしないようにと言うことがあります. 頭部の打撲と過呼吸があまりよくないと考えられています.

Q2 学校の音楽での制限はありますか?

A2 学童期のもやもや病の患者さんは、虚血症状で発症するため、両側の血管吻合術が奨められるのが一般的です.手術が終わり症状が安定した場合には、 音楽の授業で笛(リコーダーなど)・ピアニカやハーモニカを吹いたりすることに対してあまり無理をしないようにと言うことがあります.場合によっては、 他の楽器に変更を奨めることがあります.

Q3 マラソン・サマーキャンプ・運動会の組体操・水泳(プール)はどうですか?


A3 マラソンは自分のペースで走らせるのはいいと思います.休みながら走らせてあげてください.サマーキャンプは、行かせてあげてください. 運動会の組体操では、頭部の打撲がおこらないように、配慮してあげてください.場合によっては、ピラミッドの一番上にしてもらうか、 横で目立たないように一人にしてもらうなどの配慮を先生と相談してください.水泳は普通にさせてあげてください.

Q4 成績が悪いのは病気のせいでしょうか?


A4 子供なりにがんばっているのを、見守ってあげましょう.学校に行くのがいやになるような環境を作らないようにしましょう.

Q5 言語障害はよくなるでしょうか?

A5 子供の場合、大人と異なり言語障害を含め、かなり臨床症状がよくなることを経験します.虚血の範囲により長期予後は、ケース バイ ケースですが、 長い目で見守ることが必要です.

Q6 よく子供が泣いて、虚血発作が出ます.どうしたらいいのでしょうか?

A6
 血管吻合術の手術前の場合、虚血発作が脳梗塞になる場合があるため、啼泣はよくありません.早期に血管吻合術をお奨めします. しかし、術後で、症状が安定した場合には啼泣が問題になることは余りありませんが、大泣きするのはよくないと思います.逆に、虚血発作を恐れ両親が過剰に反応して、何でも子供の言いなりのような状況も経験します.これも、少し問題です.術後であれば、少々の啼泣でも普通に接するのがよいと思います.

Q7 子供のときに発症したもやもや病は、大人になれば出血するのですか?

A7 文献上は、そのような報告があるのは事実です.しかし、必ずしも出血するとは限りませんし、多くの症例で出血しないのも事実です.実際のところ、よく分かっていません.

Q8 小学校に来年入学するのですが、養護学級と普通学級とどちらかいいのでしょうか?

A8 今は、ノーマライゼーションといって健常なお子さんと一緒に勉強するのが、一般的になってきました.ご両親がお子さんを見て、どちらがよいか考えてください. そして、就学の前に入学予定の学校と相談するのがよいと思います.入学直前ではなく、前もって相談されることを、お奨めします.

Q9 外来は、どのぐらいのペースで来ればいいですか?

A9 症状が安定しているのでしたら、休みごとに外来にくるか、年に2−3回でいいと思います.もやもや病は、「もう治癒して病院と縁が切れる」ということはありません. このことはをよく理解しておく必要があります.

Q10 手術しないとだめでしょうか?自然によくはならないのですか?

A10 虚血発症のもやもや病の患者さんには、血管吻合術が有効であるとされています.脳梗塞になる前に、さらに症状が悪化する前に、手術治療を受けることを、お奨めします.症状が出た患者さんの中には、長く経過を見ていると、手術治療なしでは脳梗塞になってしまう人がいます.

Q11 頭痛などの理由で、よく学校を早引きしたり、保健室にお世話になります.病気のせいでしょうか?

A11 もちろん、もやもや病による頭痛はよくあります.小さいころに脳梗塞で発症したお子さんは、いろいろな程度の麻痺があったり、言語障害や高次脳機能障害があったりします.ほとんど分からない下肢の麻痺でも、「かけっこ」が遅いといった形であらわれる場合もあります.これらが原因で、教室でいろいろな形での「いじめ」がある場合があります.体育や音楽の授業では少し配慮してもらいたいのですが、あまり特別扱いも困りますし、学校とよく相談されるのがいいように思います.御家庭で、病気のためにあまりにもお子さんの行動に細かい場合にも、これがストレスとなって、いろいろな形でお子さんに影響が出る場合もあり、出来るだけ普通のお子さんと同じように接するのが良いかと思います.

Q12 時々、脱力発作に似た症状を出しますが、精神的なもののようにも思えます.もやもや病でしょうか?

A12 どちらともいえません.また、どちらの可能性もあります.すべきことは簡単です.MR検査を受けてください.この検査は、全く無侵襲であり、もやもや病かどうかは、これではっきりします.MR検査が正常なら、もやもや病は否定され、別の可能性を考えます.

Q13 兄弟の(姉妹の)MR検査をしましたが、もやもや病ではありませんでした.これで、将来、もやもや病になる可能性はありませんか?また、繰り返して検査する必要がありますか?


A13 兄弟や親子発生のもやもや病が、10%近くあることが分かっています.そのため、症状のない御家族のMR検査を行うことがあります.一度、MR検査が正常であっても、将来に渡って、もやもや病にならないという保障はありません.そのため、MR検査を御希望の場合は、数年に一回ぐらいのペースで検査をされてはいかがでしょうか.

小・中学校の生徒のもやもや病について