出血発症の成人もやもや病の治療指針に関する研究について



Japan Adult Moyamoya (JAM) Trial


脳虚血発症のもやもや病に対しての手術治療は、その有効性に関しては認められています.しかし、出血発症のもやもや病の患者さんに対する血管吻合を中心とする手術治療の有効性は、証明されておらず、その治療方針は決まっていません.出血発症のもやもや病の治療目的は、再出血の予防です.

このため、厚生労働省特定疾患対策研究事業「ウイリス動脈輪閉塞症の病因・病態に関する研究」の一環として、直接バイパス手術の再出血の予防効果に対する有効性を明らかにするため、「内科的治療群」と「内科的治療+バイパス手術群」の2群に無作為割付による比較検討研究 - Japan Adult Moyamoya (JAM) Trial - が2001年1月からスタートしています.


患者サイドから見ると、内科的治療を選択したり、バイパス手術群を選択するのではなく、この研究の趣旨を理解し、研究の対象になることに同意することになります.従って、研究対象になりますが、どちらの治療群に入るかは、分かりません.


研究目的は、出血発症ウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)の予後に対するEC-IC bypass術の効果および再出血予防効果を明らかにすることです.

研究対象は、脳出血・脳室内出血・クモ膜下出血を1年以内に起こした患者さんです.日常生活がほぼ自立している18歳以上60歳以下の患者さんが対象で、直接バイパスを含む両側の血行再建術を左右別に登録後3ヶ月以内に行い、原則として抗血小板薬や抗凝固薬は投与しないとしています.


2002年7月より副次研究である、より重症の(modified Rankin disability scale 3)の患者さんの研究 JAM (supplement ) Trialとこの研究の対象外とされた患者さんについてのデータベースの登録が開始されている.

5年間で手術群、非手術群それぞれ80例、計160例を集めて、血行再建術が再出血の予防に有効かどうか検討したいとしています.十分なインフォームドコンセントが取られると思いますが、よく説明を聞いて参加・不参加を決めてください.


手術成績を一定にするため、全国22の施設でこの研究が進められています.2001年8月の時点で、8人、2002年1月の時点で15人、2002年8月5日の時点で20人、2003年2月1日の時点で29人の患者さんが登録されていると言うことです.

主任研究者は、東北大学大学院医学系研究科 神経外科学分野 吉本高志先生です.


参考文献

JAM Trial Group: Japan Adult Moyamoya (JAM) Trial in 2002. 脳卒中の外科 31:13-17, 2003



追加情報


2004年の12月の時点で、参加施設は、23施設で、54人が登録されているようです.

(恐らく、手術群と非手術群がそれぞれ27人前後ずつに振り分けられているものと思います.)

再出血は、手術群で2人、非手術群で3人(一人は死亡)あるそうです.そのほかの患者さんには、再出血は起こっていないようです.観察期間の情報はありません.


2005 1 7追記