韓国のもやもや病
日本に次いで,もやもや病の患者の多い韓国からの報告です.1976年から1994年までの間に,韓国の主要脳神経外科病院で治療されたもやもや病の確診症例の334症例(成人213例,63.8%,子供121例,36.2%,出血144例,虚血126例)についての報告です.
日本のもやもや病と同様な特徴がありましたが,違いを中心に解説します.日本と同様に年齢分布は,6-15歳と31-40歳に2つのピークがありましたが、成人の症例が多いという特徴があります.若年では虚血で,成人では出血発症が多いことは同様です.韓国では,男女比には差がありませんでした.家族内の発生も1.5%と,日本より低かったです.脱力発作で始まる虚血症例が多く,意識障害は出血症例で多く認められました.
バイパス手術は,日本よりも少なく,半数以下の症例でのみ行われ,これは症状に関係なく成人症例の24%,子供の症例の62%にバイパス手術が行われています.82%のバイパス手術は間接吻合術であり,STA-MCAの血管吻合(直接吻合)は,たった9症例でした.いろいろな投薬治療が行われていますが,最も多いのが抗けいれん薬で,72.2%の患者に投薬されていました.他に,ステロイド,降圧剤,線溶薬,抗線溶薬などが,投薬されていました.臨床所見の良好な患者さんは,初診時に65.6%,その後,73.1%に認められ,11症例(成人10例,子供1例)が死亡しました.
韓国のもやもや病の特徴をまとめると、成人例が多く、そのため出血症例が多いこと、男女間での発症率の差がないこと、そしてバイパス手術症例が少ないことです.
著者らは,近年,もやもや病が韓国でも以前よりも認識されるようになり,今回の報告が,韓国のもやもや病の全体像を表していない可能性があることも指摘しています.
Han HDらの論文から