消えていったもやもや病に対する手術手技




もやもや病の虚血発作の予防目的に行われる治療に、直接血管吻合と間接血管吻合があります.しかし、過去には、この手術手技以外に行われていた手術方法があります.


もやもや病の名前を考えた東北大学の鈴木二郎らが1970年代に盛んに行っていた手術方法で、現在では、東北大学でさえも、長い間行われず、過去のものになってしまっています.



1. 頚動脈周囲交感神経切除術 Cervical perivascular sympathectomy (PVS)

2. 上頚神経節切除術 Superior cervical ganglionectomy (SCG)


の二つの手術手技です.

これらの手術の理論的背景は、「脳動脈壁には、交感神経終末が存在する.特にウィリス動脈輪近傍の動脈には神経が豊富である.これらの交感神経は、上頚神経節由来である.交感神経は、血管収縮作用がある.このため、上記2手術により、血管拡張が得られ、側副血行も促進され、脳血流が改善する」ということです.


脳神経外科の専門誌や学会でその有効性が、発表されていたが、長期的には、実際には有効ではなく、過去の手術になってしまったと考えられます.このように、ある手術手技が有効であろうという発表はあっても、結果的に有効でなっかたという発表はされることはありません.この時期に、かなりの患者さんがこの手術を受けたように思います.(この患者さんたちは、頭部に手術創がなく、頚部にあるはずです).



参考文献

1. 蕎麦田英二:虚血性脳血管障害における頚部交感神経切除術の効果.矩形波電磁血流計による血流量と臨床経過の観察.脳神経外科 8:1149-1156, 1968

2. 大和田健司、堀 重昭:脳梗塞病変に対する頚部交感神経手術と術後追跡.東北医誌 90:183-204, 1977