もやもや病の治療



急性期の治療



急性期の治療は、他の原因でおこる脳虚血や脳出血の治療と原則は同じです.成人の出血症例では、緊急で脳室から髄液を抜く ドレナージ術や開頭による血腫除去を必要とする場合もあります.


慢性期の治療


虚血症例


内科的な治療として、欧米では抗血小板薬(アスピリン、チクロピジン)、抗凝固薬(ワーファリン)、血管拡張薬などの投与が行われることが多いようです.もやもや病においては、脳血管の閉塞機序に血栓形成が関与するとされ、これを防ぐという意味で抗血栓薬は有効かもしれませんが、日本ではこれらの薬剤の有効性に関して、積極的に認める施設とそうでない施設があります.私たちの病院では、ほとんどの患者さんに抗血栓薬の投薬は行っていません.


虚血発作を押さえ
る目的で、血管吻合術(血行再建術)が有効とされています.(個人的には、虚血発症のもやもや病の患者さん全員が血行再建術を必要とするとは考えていませんが、どの患者さんが、手術を必要としないかはっきりしないのも事実です).血管吻合術には、 頭蓋外の浅側頭動脈と頭蓋内の中大脳動脈の枝を顕微鏡下で吻合する直接吻合と脳硬 膜や側頭筋やその筋膜を脳表面に置き、その間に自然に吻合が形成されるのを待つ手術である間接吻合があります.直接吻合を行う場合、大なり小なり間接吻合 と組み合わせるのが一般的です.万が一、この直接吻合がうまくいかなかったり、閉塞しても周囲の組織と脳との間に間接吻合が形成されることが多いです. また、一般的ではないですが、直径1cm程度の穴(バーホールと言います)を多数頭蓋骨に開け、この場所に新しい頭蓋内外の吻合が自然に形成され るのを期待する手術法もあります.また同様に稀な手術法に腹腔内の大網を脳表面に移植する手術もあります.もやもや病は、両側に病変があるため、左右の手術が必要 なことが多く、普通2回に分けて手術が行われます.症状の強い側の手術を先にします.


手術治療の実際 - 頭皮切開、頭蓋骨の骨切り術

血管吻合術について詳しくはこちらへ

間接吻合のEDASの合併症について

もやもや病の第1病期の患者さんの治療

血管吻合術の工夫

間接吻合 vs 直接吻合

これだけある間接吻合術

もやもや病の狭窄血管に対するバルーン治療

手術の合併症は、脳梗塞、脳出血、創部感染、けいれん、発熱、神経症状の悪化などの可能性がありますが、決して高くはありません.手術の効果は、すぐに現れるものではないですが、 虚血発作が徐々に減少し、その後、消失することになります.時間経過は、患者さんの脳循環の状態、手術術式などにより様々です.

周術期の管理(特に、小児症例)


出血症例

虚血症例と異なり、再出血を予防する目的での血管吻合術は必ずしも有効とはされていません.現在、その効果に関して2001年より共同研究が始まっ ています.血圧の高い患者さんには、降圧剤を投与します.また、抗血小板剤の投与は避けるべきであるとされています.

もやもや病の出血に対する治療のガイドライン

出血発症の成人もやもや病に対する治療指針に関する研究について

脳動脈瘤の合併


リハビリテーション


もやもや病による脳梗塞や脳出血の結果生じた障害の程度に応じてリハビリテーションが必要になる場合があります.理学療法、職業療法、言語療法が必要に応じ てプログラムされます.



偶然発見症例や無症状の症例

兄弟、親子の発生が10%弱に認められることからスクリーニングでMR検査が行われます.また他の目的で行われたMRで偶然や無症状で発見される症例もあります.このような症例が、将来必ずしも、もやもや病の症状を出すともいえないため、その治療方針には決まったものはありません.また一度、MR検査が正常であっても、将来に渡って、もやもや病にならないという保障はありません.そのため、MR検査を御希望の場合は、数年に一回ぐらいのペースで検査をされてはいかがでしょうか.


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最新の診断、治療の手引き (2001年)

やもや病と心臓外科手術 | 冠動脈疾患

腎性高血圧ともやもや病

もやもや病の予後(将来の病状について)

消えていった手術手技

無症状の患者さんに対する治療方針

もやもや病と食事