けいれん止め(抗けいれん薬)と妊娠に関して



けいれん発作について

一般のてんかんの患者さんと「もやもや病」と関係して起こっているてんかんの患者さんと同じように考えるべきではないかもしれません.もやもや病の場合、脳梗塞や脳出血による脳実質障害からおこるてんかんと脳実質に障害はないのにもやもや病による脳虚血のためにてんかんが起こっている場合が考えられます.後者の場合、虚血状態がバイパス手術などにより解決された(改善した)場合、けいれん止めが不要になる場合もあると思います.


抗けいれん薬の胎児に対する影響

妊娠中に薬剤を服用しなくても先天奇形の発生頻度は約2-3%あるとされています.また、妊娠期間中で最も薬剤の影響を受ける時期(催奇形性の高くなる時期は)、妊娠4−10週と言われています.

抗けいれん薬には先天奇形のリスクを上げることが知られおり、一般の発生率よりも4-6%高くなります.この中で兎唇と口蓋裂が一番多く、次いで心臓の中隔欠損が多いとされています.バルプロ酸(デパケン)は、1-2%の脊髄髄膜瘤の危険性が言われています.また、2種類以上の抗けいれん薬を服用していると先天奇形のリスクはさらに上がります.以上は、女性に対して当てはまり、男性に対しては抗けいれん薬に催奇形性はないようです.また、妊娠の進行とともに、抗けいれん薬の血中濃度が変化することも知られており、出産の直前に最低になる傾向があるそうです.抗けいれん薬の影響で、新生児に出血傾向が出る場合がありますが、妊娠の最後にビタミンKを投与することにより、防ぐことが出来ます.


けいれん発作のある女性は、妊娠しても、また妊娠を計画しても、抗けいれん薬を服用するのが原則です.しかし、抗けいれん薬を服用している多くの女性が、正常で元気な子供を出産しているのも事実です.また、セックスがてんかんの発作に悪影響を与えることはないとされています.



このページは、八木、山内の本、他を参考にしました.

リンク先の「薬のメモ」に妊娠と薬についての詳しい説明があります.


神経管閉鎖障害と葉酸と妊娠 - もやもや病と抗けいれん薬 -

バルプロ酸と妊娠・催奇形性

妊娠と抗けいれん薬(けいれん止め): 一般論

女性特有の問題へ