もやもや病と小脳梗塞
最近、若い男性の歌手が小脳梗塞になったというニュースがありました.一般的には、脳梗塞は、若い人の病気ではなく、中年以降の病気です.若い脳梗塞の患者さんを見ると、逆に動脈硬化以外に、いろいろな原因を検索する必要があります.
心臓から血栓が脳に飛んでくる心塞栓症、動脈の壁が避ける血管解離、血栓を身体の中に作りやすい状態になっているある種の膠原病、抗リン脂質抗体症候群、中枢神経系の血管炎、もやもや病などを調べます.
もやもや病は、どうでしょうか? もやもや病では、決して小脳梗塞にはなりません.一見、不思議なようですが、もやもや病で、狭窄や閉塞する血管は、小脳を栄養しないために、小脳梗塞にはならないのです.逆に、小脳梗塞があれば、別の原因を考えることになります.
もやもや病では、内頚動脈の末端に、狭窄・閉塞が来るのですが、まず、内頚動脈、中大脳動脈、前大脳動脈に変化がきて、その後、後大脳動脈に変化が来ます.小脳を栄養する動脈は、脳底動脈や椎骨動脈から分岐する上小脳動脈、前下小脳動脈、後下小脳動脈です.これら小脳動脈がなんらかの原因で閉塞するため小脳梗塞になるのですが、もやもや病では、これらの血管には変化は起こりません.
このように、もやもや病で、変化のくる血管には、その部位の局在がありますが、その原因は分かっていません.