手術治療の実際 - 頭皮切開、頭蓋骨の骨切り術
直接吻合にしろ間接吻合にしろ開頭手術を必要とします.それには、頭皮の切開と頭蓋骨の骨切りがまず必要です.脳神経外科医にとってこれらは、脳神経外科手術の基本であり、日常に行われる手技のひとつです.しかし、これは、ふだん健康で、初めて脳神経外科の病気になった患者さんにとっては、大変なことです.もやもや病の患者さんも同様です.患者さん自身であれ、その御両親であれ、頭の中では、頭蓋骨を割られるようなイメージがあり、また女性の方が多いもやもや病の患者さんでは、頭皮につく傷跡も気になるでしょう.
さて、まず頭皮につく傷ですが、どこに切開を入れるかによるわけですが、一般に切開線には2通りあります.ひとつは側頭部から頭頂部に向けて走る浅側頭動脈に沿って、その真上を切開をする場合(下の図参照)と、もうひとつは頭皮を弁状に切開し浅側頭動脈を頭皮弁の内側から剥がす場合です.いずれにせよ切開線は髪の毛の生えている部位に入るため、切開したところは少し毛がなくなりますが(禿げますが)、髪の毛が伸びると分からなくなります.男性で短い毛の場合は分かる場合もありますが、女性の場合、多くは長い髪の毛のため、外見上、全く分からないようになります.
また、頭蓋骨も近代的な手術器具を用い安全に骨切りが出来ますし、手術の終わりに、この骨を元の位置に戻します.以前は、この骨弁と周りの頭蓋骨の間に段差が出来ることもありましたが、今では、いろいろ工夫がなされ、美容にも気を配り、手術を行うようになっています.
一般の方にとって、頭の皮膚切開、頭蓋骨の骨切りは、イメージしにくく、ただ恐ろしいだけと思われがちですが、現在の脳神経外科では、決してそのようなことはありません.
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