脳血流検査時の負荷試験について




脳血流検査では,非負荷時(安静時)と負荷試験時の2回検査をすることが一般的です.

安静時の脳血流の分布に加えて,多くの場合,ダイアモックスという薬剤を静脈投与して,脳血管の反応性を検査します.安静時に脳血流の低下がなくても,ダイアモックスに対する脳血管の反応性が,落ちている場合があります.これは,安静時にすでに不足する脳血流を補うために脳血管が拡張しており,ダイアモックスを投与してもそれ以上に血管拡張が出来ないためと理解されています.

もやもや病では,全く脳血流の分布が正常の場合もありますが,ある程度,低下している場合が多くあります.脳梗塞の部位の脳血流は高度に低下しています.安静時脳血流の正常な部位でも,ダイアモックスに対する反応性は,正常の場合と低下している場合があります.

これらの結果をもとに血管吻合の適応を決めたり,その効果をみるために手術の前後で脳血流検査することが多いです.



ダイアモックスについて

ダイアモックスの注射薬の本来の使用目的は,緑内障,てんかん(他の抗てんかん薬で効果が不十分なとき),肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善,メニエル病及びメニエル症候群です.

従って,脳血流検査時にこの薬を使うことは,正式には目的外の使用ということになります.

副作用

重篤なもの:ショック,再生不良性貧血,溶血性貧血,無顆粒球症,皮膚粘膜眼症候群,急性腎不全,腎・尿路結石,精神錯乱

その他:電解質異常,高尿酸血症,発熱,発疹,一過性近視,多尿,倦怠感,悪心,嘔吐,下痢,便秘,味覚異常など多彩です.

良く起こる副作用に,頭痛と口の周囲や手足の知覚異常(しびれ),めまいがあります.もやもや病でない患者さんでもおこります.この薬剤を使うときには,検査後,半日から翌日まで,頭痛や手足のしびれが残ることがあると説明しています.(この説明がないと,患者さんは,不安になります)


参考文献

Komiyama M, et al: Reversible pontine ischemia caused by acetazolamide challenge AJNR 18: 1782-1784, 1997