神経管閉鎖障害と葉酸と妊娠 - もやもや病と抗けいれん薬 -



神経管閉鎖障害とは、先天性の脳や脊髄の癒合不全を言います.二分脊椎、脳瘤、脊髄瘤、無脳症などがあります.この発生に葉酸の関与が知られています.葉酸摂取により神経管閉鎖障害の発生リスク低減が期待出来ることから、妊娠を計画している女性において、妊娠の一ヶ月以上前から、妊娠三ヶ月までの間、葉酸を栄養補助食品から一日0.4mg摂取することが奨められています.

葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンで、不足すると貧血になりますが、過剰での副作用は知られていません.本来、日常の食事で摂取出来たらいいのですが、現代の食生活で一日0.4mgの葉酸が摂取できているとは言えないようです.

上記の内容の勧告は、1992年米国のCDC(Center for Disease Control)や2000年厚生省から出されています.


この勧告は、もやもや病とは関係がなくすべての妊娠可能な女性に当てはまります.


もやもや病との関連で、この葉酸摂取について解説します.

先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週以前に発生し、中枢神経系の先天異常は妊娠7週未満に発生します.このため、上記の葉酸の摂取は妊娠一ヶ月以上前から、三ヶ月までとしています.もやもや病の女性患者さんでは、抗けいれん薬を長期投与されている場合があるのですが、デパケン、フェノバール、アレビアチンなどの長期服用により、葉酸の欠乏が起こることが知られています.したがって、抗けいれん薬を長期服用している女性患者さんで妊娠を予定している場合は、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させる目的で、特に、葉酸の服用が奨められると考えます.


このページの内容は、神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に関する報告書:先天異常の発症リスクに関する検討会・厚生省・2000年12月を参考にしました.