高圧酸素療法(高気圧酸素治療)


高濃度の酸素を血管経由で目的の組織(脳組織)に送りたい場合に施行されます.一般には純酸素をチェンバーに充填して2-3気圧まで上げて、30分から2時間程度行われています.これにより、血液中の酸素濃度が約10倍にもなり、虚血部での酸素濃度も上昇します.また、血管の収縮のため組織の浮腫を減らします.

適応疾患として種々の疾患がありますが、脳疾患、特に脳血管障害に関係のある疾患を列挙すると下記のごとくになります.

◆ 救急の適応疾患

急性一酸化炭素中毒およびその他のガス中毒、脳梗塞及び重症頭部外傷、開頭術後の意識障害、脳浮腫、重症の低酸素性脳機能障害

◆ 救急でない適応疾患
   
脳血管障害、重症頭部外傷又は開頭術後の後遺症としての運動麻痺、一酸化炭素中毒後遺症

しかし、米国では、頭部外傷、脳性麻痺、脳卒中に対する治療の適応は、研究レベルの適応となっており、FDAの認可は取れていないようです.また、高圧酸素療法が、既に確立した治療法に取って変わるものでは決してないとされています.

治療時間は、急性一酸化炭素中毒などを除いて、一回に30分から2時間です.また治療期間・回数は、急性一酸化炭素中毒では、1-2回だけですが、他では、10-30日程度とされています.

副作用

1. 耳への圧外傷

圧変化により耳への圧外傷や不快感・緊満感がおこります.

2. 酸素中毒

高圧・長時間の治療を行う酸素中毒になることがあります.ケイレン発作に対する閾値の低い患者さんは、ケイレンを起し易くなる可能性があります.

3. 閉所恐怖症

4. 無呼吸発作

呼吸中枢の抑圧がある人が、高濃度の酸素吸入により無呼吸発作が出現することがあります.

5. 白内障の急激な進行

6. 漿液性中耳炎

2-6の副作用が出現することは稀です.

禁忌

上気道炎、副鼻腔炎、高熱、閉塞性肺障害、肺気腫、気胸、痙攣(閾値の低い場合)、癌、妊婦などが上げられます.