内服薬の必要性
もやもや病の治療過程で,いろいろな内服薬が投与されます.もちろん必要な薬ということで投与されるわけですが,ずっと必要とは限りません.例えば,けいれん発作を起こしたことのない患者さんが,血管吻合術を受けた場合,手術前後に”一次的に”抗けいれん薬が,一般的に投与されます.理由は,開頭をし脳の表面を少なくとも手術中に操作するためです.しかし,この抗けいれん薬は,一般的には,術後数ヶ月で投与が中止されます.漫然と投与し続ける必要はありません.何年もけいれん発作のない患者さんも,脳波検査をして,けいれん発作を起こす異常脳波がなければ,少しずつ薬の量を減らし,投与を中止することもあります.
また,抗血小板薬(アスピリンやパナルジン)の投与に関しても,医師により意見が異なります.血管吻合術後で,虚血発作が持続するような場合は,抗血小板薬を投与することはありますが,慢性期には,私は基本的に投与し続ける必要はないと思っています.多くのもやもや病の患者さんに対して,長期に渡り抗血小板薬が投与されていることがありますが,その必要性に関しては,再考が必要に思います.もちろん個々の患者さんに症状に合った内科的治療が必要なわけですが,現実に無投薬で何年,(場合により数十年も),神経症状のない患者さんもたくさんいます.
若い女性に対して抗けいれん薬や抗血小板薬が長期投与されている場合,妊娠や出産と局面でこの薬が,問題になることがあります.もし必要性の低い薬が漫然と投与されている場合は,できれば考え直したいところです.