子供のもやもや病


ソウル大学の小児脳神経外科からの小児のもやもや病についての論文です.日本の1施設からこれだけまとまった症例数の報告が出ることはなく、韓国では、日本と異なり限られた施設でもやもや病の治療が行われているためと思われます.

文献紹介


目的:小児のもやもや病の臨床的特徴と治療成績について検討を行った.

方法:1988年から2000年の間に、EDAS(間接吻合)で治療を行った204人(男92、女112)の小児のもやもや病の患者を手術を行なったときの年齢で、3グループに分けた.グループA(3歳未満、23人)、グループB(3歳から6歳まで、50人)、グループC(6歳から17歳まで、131人).198例で、両側のEDASを、2期的に行った.各グループの臨床症状、手術前の脳梗塞、周術期の脳梗塞について検討した.また、治療成績・術後の血行動態について解析した.

結果:初期症状としての脳梗塞は、有意にグループA(87%)とグループB(58%)の方が、グループC(46%)よりも多かった.術前の脳梗塞は、グループA(39%)の方が、有意にグループB(6%)やグループC(0.8%)よりも多かった.初発症状から術前の脳梗塞までの平均期間は、3ヶ月(1-14ヶ月)であった.手術に関係した脳梗塞は、3グループ間で差はなく、術後1週間以内に起こった(グループA、17%;グループB、14%;グループC、13%).術後の血行動態の改善は、3グループで差はなかったが、良好な臨床成績は、有意にグループA(58%)では、グループB(84%)やグループC(86%)よりも少なかった.グループAで臨床成績が、不良な理由は、主に、術前の脳梗塞によるためであった.

結論:年齢の低い(3歳以下)小児のもやもや病は、進行が速く、臨床成績は不良である.このため早期の手術が奨められる.しかし、その真の有効性を証明するためには、更なる追加・比較検討と長期の経過観察が必要である.


参考文献

Kim SK, Seol HJ, Cho BK, Hwang YS, Lee DS, Wang KC:
Moyamoya disease among young patients: Its aggressive clinical course and the role of active surgical treatment. Neurosurgery 54:840-846, 2004