もやもや病における後方循環の狭窄・閉塞性変化




もやもや病では、両側の内頚動脈が頭蓋内で狭窄や閉塞し、その近傍にもやもや血管が発達します.内頚動脈系は「前方循環」とも言われ、もやもや病ではここに変化が起こるのがその始まりです.(もやもや病の定義・診断基準でもあります).では他の脳の動脈には同様の変化が起こらないのでしょうか?

脳には、内頚動脈以外に、2本の椎骨動脈が頭蓋内に入り1本の脳底動脈になります.この脳底動脈がまた、2本の後大脳動脈になり、主に後頭葉を栄養します.こちらを後方循環といいます.


もやもや病が、進行するとこの後方循環にも、前方循環と同様の狭窄・閉塞性の変化が起こり、もやもや血管がはっきりしてきます.もやもや病の初期の段階では、後方循環の変化は全くないか、または高度ではないので、後方循環から前方循環へ側副血行路が形成され、全体として脳血流も保たれる場合が多いのですが、後方循環にまで、狭窄性変化が波及すると、脳全体の血流が低下するため、脳梗塞になりやすいとされます.

血管吻合術は、直接的には前方循環への血流を増やす手術ですが、術後には血流の再分布が起こり、後方循環も改善されるとされています.


1.初期

 「内頚動脈の狭窄・閉塞」 --> 「内頚動脈系からのもやもや血管」の発達

 「椎骨・脳底動脈系」から前方循環への側副血行路

2.さらに進行すると

 「椎骨・脳底動脈系の狭窄・閉塞」 --> 「後大脳動脈・脳底動脈からのもやもや血管」の発達

 「前方循環・後方循環」ともに虚血になる.