もやもや病と妊娠について今までに報告されたものをまとめました.
2000年までに論文報告された症例は68例ありました.
もやもや病と子供の時に診断された患者さんが妊娠した症例
37例中,28例は帝王切開がされています.9例が自然分娩(経膣分娩)でした.予後不良は,1例のみで10歳児にもやもや病と診断され,妊娠30 週で両側の脳室内出血を起こしています.この患者さんの子供は正常に生まれましたが,患者さんは高度の意識障害が残りました.別の1例で脊髄麻酔 での帝王切開中に,不安のため高血圧,過換気発作が出現しましたが,母子ともに問題は起きませんでした.36例で分娩時に問題があった症例はあり ませんでした.37例で,血管吻合術を一側でも受けた患者さんは,たった9例でした.
脳卒中を起こし初めてもやもや病と診断された症例
31例の内,20例が帝王切開,6例が自然分娩で出産しました.2例が流産,3例が不明でした.妊娠経過中に脳卒中を起こしたのが24例,分娩時に起 こったのが3例,出産後に起こったのが3例で,1例不明でした.出血発症が24例,虚血発症が6例 ,1例不明でした.母体の予後は,良好が15例,不良が9例で,死亡が5例,2例不明でした.子供の予後は,良好が22例,不良が1例,死亡が3例( 2例の流産を含む),5例不明でした.31例の内,明らかな妊娠中毒症は3例で認められました.ほとんどが初産婦ですが,経産婦が7人いました.
モヤモヤ病の実態調査集計結果(2001)から
18歳以上の87人の女性患者さんの調査結果です.
出産経験なし(20人)、妊娠中(1人)、発病後出産(22人)、発病前に出産(27人)、第1子出産後発病(2人)、第2子出産後発病(9人)、第3子出産後発病(4人)、第4子出産後発病(1人)、出産後発病(1人)、出産時発病(1人).
もやもや病と分かってからの出産は20人で報告があり、普通(自然)分娩(7人)、帝王切開(11人)、無痛分娩(1人)でした.
出産時の母体の異常は、49人の報告があり、異常あり(13人)、異常なし(35人)、不明(1人).異常の内容は、妊娠中毒症、高血圧が多く、発作の増加も少ないですがありました.
(妊娠中にもやもや病を発病をした方が、この調査に何人含まれているか、また出産時の母体の異常の報告がもやもや病の発症前の出産か後の出産か記載されていないようです).