「もやもや病」における外頚動脈の閉塞性変化
もやもや病における脳動脈の閉塞・狭窄性の変化は、原則としてウィリス動脈輪の前半に先ずおこります.頭蓋内の内頚 動脈の末端がこの部位に当たります.同じような変化が病理学的に一部の症例で頭蓋外の浅側頭動脈にも来ることが知られています.これに関して過去に、脳 血管撮影上で狭窄病変が認められるという報告があったのですが、私達の研究では、そのような狭窄や閉塞性変化は、脳血管撮影で認められませんでした.
頭蓋外の血管を脳血管撮影や手術時に採取した病理標本で観察して、どの程度、頭蓋内の血管の変化が予測できるか、またもやもや病の成因にせまると いう点で興味あるところですが、血管撮影の所見から頭蓋内の血管と頭蓋外の血管ではあまり関連がないように考えています.また 実際に頭蓋外の浅側頭動脈に閉塞が起こったという報告はないことと、血管吻合によって頭蓋外から頭蓋内への人工の血液路を造 っているのに、狭窄病変が高頻度でおきるとしたら、せっかく手術で吻合を造っても意味がなくなることになります.実際には、吻合術の手術手技の問題でその吻合 部に狭窄がくることはありますが、吻合部以外の部位に狭窄は、おこらないように思います.
参考文献
1. Komiyama M, Nishikawa M, Yasui T, Kitano S, Sakamoto H, Fu Y: Steno-occlusive changes in the external carotid system in moyamoya disease. Acta Neurochir (Wien) 142: 421-424, 2000 [abstract]