腎性高血圧ともやもや病




もやもや病の血管狭窄は,基本的に頭蓋内の内頚動脈とその近傍の動脈に起こります.この狭窄性変化は,両側性に起こります.同じような狭窄性の変化が他の血管に起こることが知られており,その中に腎動脈,冠動脈などが含まれます.

冠動脈に起こると狭心症や心筋梗塞を起すことがあります.(冠動脈疾患ともやもや病へ).腎動脈にそのような変化が起こると,腎性の高血圧が起こることがあります.腎臓への血流の低下(血圧の低下)を感知して,レニンというホルモンが腎臓の糸球体から
分泌されます.レニンが血液中のアンギオテンシノーゲンに作用してアンギオテンシンIに変わります.このアンギオテンシンIは,肺でアンギオテンシン変換酵素によってアンギオテンシンIIに変わります.このアンギオテンシンIIが全身の血管を収縮させ血圧を上昇させることになります.このような病態を腎性の高血圧と言います.診断は,レニン,アンギオテンシンなどの血中濃度の測定や腎動脈に狭窄がないか判断する画像診断が必要になります.私の病院では,初回のもやもや病の診断時に,血圧が高い低いに関わらず,また年齢に関わらず(子供でも)脳血管撮影のついでに,腎動脈撮影を行います.(ついでに出来る手技です).

現在では,腎動脈性の高血圧の治療は,バルーンのついたカテーテルを用いて,血管形成術が行われるのが一般的です.もやもや病の患者さんの中には高血圧を合併するひとが少なからずあります.脳血管に狭窄があるため合目的に血圧が上昇しているのかもしれませんが,その中には,腎性の高血圧の可能性があるため検査が必要です.子供でも腎性の高血圧が起こることがあります.

Yamadaらの報告によると,86人のもやもや病の患者さんのうち,6人(7%)に腎動脈狭窄が認められ,そのうち2人(2%)が腎性高血圧であった.他の一人(1%)には腎動脈の末梢に動脈瘤が認められた.