もやもや病とセックス



タイトルは刺激的ですが、最近いただいたメールからこのページを載せることにしました.今まで、もやもや病と女性の問題、特に結婚、妊娠、出産につい て過去の報告、実際に診察した患者さんの経験、メールをいただき、いろいろ 相談の機会のあった経験などから、分かっていること、分かっていないことを 整理しながら情報として載せてきました.しかし、実際にセックスについて書 いたことはありませんし、そのようなことが話題になったこともありませんで した.これは、そのような問題がないのではなく、他人に(主治医を含め)、 話をしにくい話題で、自分だけで、または御夫婦だけで、悩んでおられる方が 多いように思います.

さて、もやもや病の患者さん(男性も女性も)は普通に、セックスをしても大 丈夫なのでしょうか?ここで、女性患者さんの妊娠・出産に関しては別のペー ジにある情報を参考にしていただくことにして、ここでは考えないことにしま す.子供のもやもや病の患者さんが、縦笛を音楽の時間に吹いたり、ラーメン を食べるときに「ふーふー」したりとすると、つまり過換気になると虚血発作 が誘発されることがあります.これは、血液中の二酸化炭素濃度が下がり、こ れにより脳血管が縮むため発作が出るように考えられています.同じことがセ ックス時にもおこる可能性があるように思います.特に、しばしば虚血発作が ある患者さんでは、可能性があるように思います.

多くのもやもや病の患者さんが、無事出産されています.実際に聞いてみたわけではありませんが、恐らく、セックス時に、発作が頻発している患者さんは いないような気がします.なぜかといいますと、多くの出産経験のある女性は、 手術を受けた、受けていないに関わらず、比較的症状の安定した時期、つまり虚血発作がない時期に、妊娠・出産されていると考えられることと、もし妊娠前に頻回に虚血発作があると、妊娠・出産に対して不安で、そのまま出産に進みにくいように思われるからです.

虚血発作がない患者さんでは、セックスがさほど危険とは思えません.特に制 限などないと考えていいように思います.逆に、発作が、時々ある患者さんの 場合、セックスにより発作が誘発される可能性はあるように思います.血管吻 合術を受けていない患者さんで、頻回に虚血発作がある患者さんは、前向きに 治療を考えられてもいいように思います.治療後に、発作がなくなれば、比較 的、安心してセックスができるように思います.このような不安は、健常なパ ートナーには、分かりにくいことかもしれません.病気についての理解をパー トナーに求めるとともに、セックスに関しても同様なことが言えるように思います.

セックスに対する考え方・態度は、個人個人、男と女で異なると思います.「問題ならしなければいいじゃないか!」と言うわけにはいかないように思います. きっと多くのもやもや病の患者さん、そのパートナーが悩んでおられるように 思います.病状の安定度を考えながら、パートナーと一緒に考えることが必要 だと思います.

2005.5.18