Does moyamoya disease cause subarachnoid hemorrhage? Review of 54 cases with intracranial hemorrhage confirmed by computerized tomography.



Nobuhiko Aoki and Hiroshi Mizutani, Department of Neurosurgery, Fuchu Metropolitan Hospital, Fuchu, Tokyo, Japan

J Neurosurg 60:348-353, 1984

  


まとめ:もやもや病に関連した頭蓋内出血の多くの患者はくも膜下出血であるとされている.しかし、もやもや病が実際に、くも膜下出血を起こすか疑問である.多くの出血は、CTでは脳実質内出血または脳室内出血である.筆者らは、自験例の9例を含む54例のCTで確認された頭蓋内出血の報告について検討を行った.1例を除き脳実質内出血または脳室内出血であった.くも膜下出血起こした1例は、もやもや病に合併した嚢状動脈瘤の破裂によるものであった.これらの結果からもやもや病では、くも膜下出血そのものは起こらないと結論できると考えられる.

解説:もやもや病の疾患概念が、確立してきた1980年代はじめでも、もやもや病による頭蓋内出血は、くも膜下出血と考えられていました.しかし、X線CTが普及するに至り、多くの頭蓋内出血は、くも膜下出血ではなく、脳内出血(脳実質内出血)または脳室内出血であることが、分かってきました.くも膜下出血は、脳動脈瘤破裂による場合のみに認められることもはっきりしてきました.この1984年のAokiとMizutaniの論文は、この点をクリアーにしています.もやもや病の場合、内頸動脈の末端に狭窄や閉塞が来るために、脳動脈瘤は、基本的に内頸動脈系には起こらず、椎骨脳底動脈系に起こります.中でも、血行力学的に脳底動脈先端部に出来やすいとされています.