気まずい二人 三谷 幸喜著.
角川書店刊.1200円
いやぁ、笑った笑った。帯の惹句に「これは、三谷幸喜を立派な人間にするためのリハビリだ」などと書いてあって、ナニゴトかいなと思ったのだが、中身を見て、うむ、納得、納得。ハハハ。
三谷幸喜氏と言えばいうまでもなく喜劇を得意とする脚本家だが、ご本人は至ってマジメで、しかも無口なのだそうだ。いつだったか、結婚披露の記者会見は、記者も思わずムッとするぐらい不愛想だったらしい(私は見ていないから、これは人から聞いた話)。その氏が、対談集なんかを出してしまった。しかも、「女性と話すのは苦手だ」と言いつつ、毎回女性をゲストに迎えて何か話そうというのだから聞いて呆れる。彼はいったい、何を考えているんだ。
ここで帯の惹句が活きてくる。そう、この本は、氏の「人見知り、アガり性、女性恐怖」を直すために、徹底して女性ゲストを相手に迎えて対談しようという、言ってみれば荒療治のような企画なのだった。
しかし、荒療治の常として、そうそう上手く行くはずがない。毎度毎度、話題はぶっ飛びまくったうえに突然プツンと途絶え、どのページを開いても「・・・・」「・・・・」と、絶句している様子が窺われて、読んでいるこちらの方まで緊張してしまう。焦りまくった挙げ句に、氏がどのゲストを相手にしても持ち出す話題が、「モヤシと枝豆と納豆と豆腐は全部同じ大豆なんです」という、はっきりいってしょうもないネタだったりして、これがまた苦笑を誘う。果たしてゲストは困惑してだまりこみ、ホストはその様子を見て更にうろたえ・・・・。この泥沼状態が更に笑いを誘う。
この本の楽しみ方にもいろいろあろう。必死にホストのフォローをする女性たちに魅力を見出だすもよし、「こんな口ベタな人でも、売れっ子脚本家なんだよな・・・・」と、世の不条理をかいま見るもよし。もちろん、汗水たらしてしゃべろうとする三谷氏に、母性本能をくすぐられるのもまたよし。
でも、とりあえず、何も考えずに笑いたいときにおすすめだ。
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