全編これ西原理恵子一色という、手に取るのに勇気が要りそうなムックである。特集は「西原理恵子・大ブレイク計画」で、各界の識者のかたがたが真剣に西原理恵子を世に売り出すための策を練っている。中には「サイバラ歴1日」という猛者もいて、無謀な企画にまず拍手したくなる。
新キャラクターを使った掌編漫画は、他誌の編集者からも街の人からもけちょんけちょんに叩かれまくる。ふだん言いたい放題の西原理恵子が、ここまで他人から言われ放題になるという光景は、他ではちょっと見られないのではないか。それだけでも一読する価値は充分あるのだが、この本のウリはそれだけではない。人生ゲーム双六に手製のおみくじ(掲載ページを自力で切り取って自分で組み立てる)、Tシャツなどにアイロンプリントするためキャラクターなど、注目すべきは7つの「付録」である。この本の編集は小学館の「小学一年生」担当者、「人生一年生」には「小学一年生」のノウハウがごっそり生かされている。
中にはカタカナにまでルビを振って、あきらかに「小学一年生」のパロディーを狙ったコーナーもある。いいなぁ、こういう極悪非道なノリは大好きだ。そうかと思うと、かの『ナニワ金融道』の青木雄二氏との対談は抱腹絶倒、「絵の下手な漫画家ナンバーワン」の座を強引に譲りあっているさまなどなんともおかしい。「サイバラクッキング」などは下ネタ満載の悪ノリ企画で、たいそう悪趣味なのだが見ていて非常に楽しい。
傑作漫画『ぼくんち』の映画化に関する記事もちょっと載っている。スポンサーはまだ決定していないものの、監督や主演女優はすでに案が固まっているという(社中秘)。そうか、これ映画化するんだ。しかしクランクインの予定もまだ立っていないらしい。本当に映画化するのか?
記事そのものよりも広告(かの「高須クリニック」の広告すらサイバラが描いている)や、ぜんぜん匿名になっていない「担当編集者・匿名座談会」は必読だ。
それにしても勇気あるなぁ、小学館。本当にこんなムックを出しても良いのだろうか。しかも中身に「Vol.2」の宣伝までしてあったが、本当に出すのか?