飯田線を走る新性能近郊形電車
3扉セミクロスシート(もしくは転換クロスシート)を持った車両を国鉄時代より近郊形電車と呼んでおり、都市近郊の通勤・通学と、長距離旅客の両方が存在する飯田線の線形に適した車両ではあるが、1M方式の飯田線用ともいえる119系が存在するため、飯田線内で常時使用される編成数は少なく、他線区から乗り入れる車両が主である。

飯田線に乗り入れた実績のある近郊形電車は臨時列車を含めると多形式に上るが、現在使用されているのは119系を除くと主に115系で、その他の形式は東海道本線から直通してくる車両で、以前は117系や311系が使用されていたが、現在定期列車として乗り入れる車両は'99年(平成11年)から製造された313系になっている。

最近では、以前「さわやかウォーキング」などの臨時列車で使用された神領区の165系の廃車にともない、同区の113系4両編成が臨時列車や、多客時の定期運用などで飯田線で運用されていたが、同車も2007年度に廃車となり、現在は117系4両編成などが利用される事が

JR東海では、2007年度までに国鉄時代から引き継いで使用していた115系電車も313系電車に置き換えた事によりJR東海車で飯田線に入る近郊型電車は119系以外では117系と313系となっており、117系も119系同様、2013年度までには新型車両との置き換えが発表されているので、早晩見られなくなる可能性が高い。

飯田線の115系
飯田線での115系は、165系が普通電車運用から撤退後に本格的に使用された。飯田線で運用開始当初は御殿場線などで使用していた0番代などの比較的古い車両で、希に身延専用2000(2600)番代も入線していたが、現在は冬季間北部運用などを考慮し、基本的に耐寒耐雪仕様の1000番代が使用されている。しかし、119系との併結運転が出来ないので、主に快速運用などの独立した運用で使用され、線内での併合・分割運転はない。JR東海車両は静岡運転所所属車・湘南色。

JR東海所属の115系は、2007年度を持ち全車廃車とされ313系1700番台に置き換えられた事により、湘南色の115系が飯田線を走行する姿は見られなくなってしまい、また飯田以南の運用に入る事も無くなってしまった。

また、'98年11月までJR東日本・長野総合車両所の169系で運転されていた、飯田〜長野間連絡快速「みすず」も、現在は同所の115系で運転されている。塗色は169系時代と同じ「新・信州色」である。

 ■JR東海(静岡運転所)所属の115系(主に飯田線用)

●飯田線で使用されるJR東海の115系1000番代車

飯田線内では通常3編成が使用され、快速列車に重点的に当てられている。

JR東海車の一部は、JR東日本・長野方面にも乗り入れをしている。使用線区の関係上、現在は基本的に静岡運転所の1000番代車(S編成)を使用している。

現在、どの車両もインバータクーラーによって冷房化されているが、元々冷房準備車なので大型MGが搭載されているため、5000番代には改番されていない。また飯田線内のドア扱いは通常運転手が行うため、そのための改造も施されていた。

クモハ115-1000番代車他3連 宮田〜大田切間 '91.07.23 TM

●静岡区唯一のクハ115-1000番代

飯田線で主に使用される115系は、前記のとおり1000番代車であるが、同編成中で新製時からクハ115の1000番代車は1両のみで、あとの編成は0番代サハ車を先頭車化改造したクハ115-600番代と、0番代のクハ車であり、3両とも1000番代で組まれているのは1編成のみである。

上記のとおり元々冷房準備車であったため、インバータクーラー化によって冷房化はされたが、従来方式の冷房用塞ぎ板は残ったままである。

(左下)クハ115-1040番代車他3連 田本駅 '91.07.22 TM

JR東海静岡運転所所属115系1000番代(S編成)編成表 (静シス)'99.03現在

←豊橋・静岡                 辰野・岡谷→

Mc
M’
Tc
S1
115-1039
114-1053
115-1040
S2
115-1080
114-1186
115-616
S3
115-1082
114-1188
115-617
S4
115-1520
114-1163
115-614
S5
115-1524
114-1006
115-619
S6
115-1524
114-1010
115-615
S7
115-1526
114-1031
115-618
S8
115-1523
114-1171
115-188

この8編成中、3編成が飯田線で使用、Tcの600番代はサハ115の先頭化改造車、またS8編成のTc車は0番代の原型大型ヘッドライト車である

全車、2007年度に廃車となった

 ■JR東日本(長野総合車両所)所属の115系飯田線乗り入れ車

●長野車両所所属の115系(新・信州色)

それまで169系4連または3連で運転されていた長野から飯田線に乗り入れをする「快速・みすず」は、'98.12改正で115系3連に使用車両が変更され、線内普通・快速車両は3扉セミクロスシート車に統一される事となった。(一部、ロングシート化車も存在するが、飯田線入線については未確認)

塗色は169系時代と同じ、長野地区オリジナルの「新・信州色」で、当然使用地区の関係上すべて1000番代である。

115系1000番代長野車 伊那上郷〜桜町 '99.10.11 TM

●同、115系1000番代車

同所の115系の冷房方式は従来方式で行われたため、既存の冷房準備仕様の塞ぎ板を外した場所にAU-75型クーラーを取り付けている。また、同時に側面方向幕も取付けがされた。

長野支社の115系も165・169系同様に湘南色→旧・信州色→新・信州色へと塗色が変遷しているが、飯田線には以前の塗色ではほとんど入線していない。

静岡区の車両とは編成の向きが逆で、Mc車が下り方向を向いている。

115系1000番代長野車 辰野駅 '01.08.26 TM

JR東日本長野総合車両所所属115系1000番代(R編成)編成表 (長ナノ)'99.03現在

←(豊橋)飯田・長野                              辰野・上諏訪→

Tc
M’
Mc

Tc
M’
Mc
R1
115-1008
114-1013
115-1008
R9
115-1003
114-1005
115-1003
R2※1
115-1010
114-1015
115-1010
R10※2
115-1018
114-1025
115-1019
R3
115-1228
114-1187
115-1081
R11
115-1248
114-1002
115-1562
R4
115-1249
114-1209
115-1564
R12
115-1242
114-1210
115-1565
R5
115-1020
114-1029
115-1021
R13
115-1009
114-1014
115-1009
R6
115-1001
114-1001
115-1001
R14
115-1231
114-1165
115-1521
R7
115-1007
114-1012
115-1007
R15
115-1091
114-1137
115-1563
R8
115-1230
114-1189
115-1083

※1…R2編成はリニューアル工事施工車 ※2…R10編成は全ロングシート施工車
編成方向は飯田線内を基準に記しています

■飯田線での117系
飯田線で使用される117系は、東海道本線・中京地区快速用として使用されている車両で、主に週末臨時快速列車として大垣・名古屋方面から飯田線・奥三河地区まで乗り入れをしている。また、過去には駒ヶ根までの入線実績もある。定期列車としては飯田線には使用されていない。

以前、117系はクリーム色にぶどう色のライン塗装であったが、現在はJR東海のCIカラーであるオレンジのラインに変更されている。飯田線には、両方の塗色での入線実績がある。

2009年8月に、佐久間レールパーク閉園イベントの一環として119系の復刻塗装と合わせ、117系も登場時の塗装であるクリームに茶帯という復刻塗装がなされ、同月より「佐久間レールパーク号」として同園開園日に東海道線〜飯田線に運転されている。

●「ホリデー快速」に使用されるJR東海色117系

主に東海道線名古屋・大垣方面から飯田線南部の臨時快速で飯田線に乗り入れをする117系。

耐寒・耐雪装備や客扉半自動化、抑速制動装置等の設置が行われていないため、飯田線北部まで乗り入れをする事は希である。

室内は転換クロスシートで、2扉4両編成の特別料金なしの車両として飯田線車両としては贅沢な列車である。

117系ホリデー快速4連 出馬〜東栄間 '91.11.22 TM

●登場時同様の復刻塗装がされた117系

2009年8月、119系と同様に佐久間レールパーク閉園イベントの一環として登場時塗装に復刻されたJR東海の117系。同月より「佐久間レールパーク号」などで飯田線内に乗り入れ、同列車運転日以外には東海道線快速運用などの通常運用にも使用される。

117系復刻塗装車「佐久間レールパーク号」 三河大野〜本長篠間 '09.09.12 TM


■飯田線での313系と311系
311、313系は東海道本線・中京地区主に快速もしくは特別快速用として使用されている車両で、特に313系は'99年(平成11年)に製作されたJR東海の新鋭車両。番代による室内シート配置が異なり非常に複雑で、飯田線には一時、東海道本線名古屋・大垣方面から乗り入れる列車があり、当初転換クロスシートの311系4両編成が使用されていたが、2000年頃から313系クモハ313-300番代+クハ312-300番代2両編成のクロスシート車へ変更となり、東海道本線区間は豊橋で増解結を行っていた。

2008年度には新たな313系1700番台が増備され、飯田線で運転されていた115系JR東海車が置き換えられる事となった。

300番台車は大垣車両区、1700番台車は神領車両区所属。

●飯田線直通特別快速に使用される313系

JR東海の新鋭近郊形電車313系300番台を使用した、名古屋方面から飯田線・本長篠直通の特別快速。

東海道本線区間は6両または4両編成で運転されているが、豊橋で2両に切り離され、飯田線内は2両編成で運転される。

313系特別快速・本長篠行 豊橋 '00.03.20 TM

●313系(左)と311系

東海道本線米原行き特別快速の311系と並ぶ飯田線直通の313系特別快速電車(左)。以前は311系も飯田線直通列車として使用されていたが、のちに313系300番台車に置き換えられている。

313系は311系よりも前面の丸みが強く、また白く塗装された面が広い。

313系(左)と311系(右) 豊橋 '00.03.20 TM

●313系新区分、1700番台車

2008年度、115系などの従来から使用されている近郊型電車を置き換えるため、新製された313系の新区分車で、以前から飯田線に乗り入れていた300番台車2両編成に対し3両編成で、パンタグラフも上り方Mc車に2個が付けられやや精悍に、前照灯にはHID、行き先表示器などは白色LED等が多用され更に現代的に進化した構造となった。

313系1700番台車 三河槙原 '09.09.12 TM


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