飯田線の荷物電車(クモニ13 020〜、クモニ83 101〜)※郵便・荷物・旅客合造車は除く
飯田線沿線は旧国活躍当時、並行する道路事情が良くなく、鉄道での荷物輸送も非常に重要任務で、普通電車の荷物車併結運転の他、荷物専用電車も運転されていた。車両は大正期に造られた木造電車鋼体化した17m車・クモニ13020〜と、東海道線で使用された湘南電車用郵便荷物車クモユニ81を改造したクモニ83101〜という極端に製造時期が異なる車両が使用されていた。。

クモニ13型(13020〜)

大正期に製造された木造電車を鋼体・荷物電車化改造をした車両。改造時と同時期に製造されていた73系電車に似た食パンのような切妻の前面と16.5mという短い車体で、重厚な飯田線の旧形国電の中ではユニークな存在であった。
昭和30年代半ばから数年間、自動連結器を付け貨車牽引の任にあたっていた事もある。

飯田線では13025と13026の2両が使用されていた。スカ色のクモニ13は、全国でもこの2両のみ。

クモニ13025 '83.03.24 伊那福岡〜田切間 TM

●クモニ13の顔2態(左上・左下)と2エンド側(下)

上はクモニ13025、下はクモニ13026の1エンド側前面。クモニ13は2両とも、どの窓もHゴム支持改造が行われなかった。飯田線末期の旧形国電で、その改造が行われていないのは、この2両のみであった。

左上 クモニ13025 '82.08.12 辰野 TM

左下 クモニ13026 '82.06.06 辰野 TM

 

また、飯田線末期では、基本的にこの車両が先頭に立つ運用は組まないうに配慮されており、豊橋方にはクモニ83(後述)が連結される場合がほとんどで、クモニ13の2エンド側は滅多に見られなかった。

クモニ13025 '82.08.12 辰野 TM

●クモニ83型(101〜) 

この車は、湘南電車として昭和20年代に東海道線で活躍した80系の郵便・荷物電車として造られたモユニ81(のちクモユニ81)が、同線の新性能化に伴い、新性能電車と総括制御が可能なクモユニ74 の投入で余剰となり、'68年(昭和43年)に飯田線に転属、翌年郵便室の撤去改造を行い、クモニ83101〜となった。
同型式を持つ他の番代のクモニ83は改造種車が73系で、車体も新製されており、形状がまったく異なり、また性能的にも他番代は新性能電車との総括運転も可能だが、83101〜のグループは新性能車との総括制御はできない。その他[飯田線の80系解説]参照

飯田線では、クモニ83101、102、103の3両が活躍した。

車体側面に書かれた「荷物」の文字位置が各車毎に異なっていた。

(上)クモニ83102 豊橋 HS
(下)クモニ83103 '83.03.29 伊那本郷 TM

●飯田線の荷物専用電車(荷2042M)

旧国時代の飯田線には、荷物専用電車のダイヤが上下各1本設定されていたが、下り(荷2041M)は朝一番豊橋を出て途中駅から客扱いをするため、回送扱いの旅客車を併結していたが、下りの荷2042Mは、純粋に荷物電車のみの2両編成で運転されており、20m湘南型のクモニ83と17mのクモニ13の凸凹編成で、人気があった。

クモニ83103 '83.03.28 伊那福岡〜田切間 TM


飯田線の荷物電車は全車豊橋機関区の所属であり、伊那松島区には荷物専用車の配置はなかった。
また豊橋機関区には、クモニ13020〜と同型のクモヤ22201が配置されていたが、基本的には浜松工場の入換えに使用されており、飯田線に入ることは希で、塗色もぶどう色であった。


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