CD・邦人作品・吹奏楽作品集・オムニバス


・吹奏楽コンクール課題曲集 vol.1〜7
vol.1 1962 〜 1969   SRCR 2205
vol.2 1970 〜 1976   SRCR 2206
vol.3 1977 〜 1980   SRCR 2207
vol.4 1981 〜 1985   SRCR 2208
vol.5 1986 〜 1989   SRCR 2209
vol.6 1990 〜 1994   SRCR 2210
vol.7 1994 〜 1997   SRCR 2211
 (各CDでの収録曲は省略)
 日本の吹奏楽を語る上で避けては通れないもの。それが吹奏楽コンクールである。日本の吹奏楽を支えるのは全国にある各種学校の生徒、およびアマチュアの人々によって結成されている吹奏楽団である。彼等のほぼ全員が毎年演奏するのが吹奏楽コンクールにおける課題曲である。これは初期の1962年から97年までの課題曲をコンクールの実況録音で集めたものである。
 アマチュア、しかも中には中学生などの演奏も多く含まれているこのCDを紹介するのは、本来このサイトの趣旨には合わないのかもしれない。ここはあえてアマチュアの演奏を聴いてもらうことで、吹奏楽の長所と短所の両方を感じ取ってほしい。中学生の拙い演奏からプロなみの演奏をする一般団体まで、様々な顔に出会えるだろう。
 全く初めて吹奏楽を聴く人には、まずvol.5をお勧めしたい。これには邦人吹奏楽曲の傑作との声が高い三善晃「深層の祭」、短い内で管楽器の音色の多様性を民族色に乗せて表現することに成功した間宮芳生「序曲」、吹奏楽関係者の中で絶大な人気を誇る保科洋「風紋」などの佳曲が多いからである。
 その後に続く私の推薦順としては、個人的な思い入れのある人には不満かもしれないが、4→6→7と続く。
 それぞれのCDにどの作曲家のどの作品が収録されているかは、色々なサイトに歴代の課題曲一覧が掲載されているので、そちらを参照してほしい。


・「深層の祭」
    東京佼成ウインドオーケストラ/小田野宏之
日本民謡組曲 わらべ唄   兼田 敏
吹奏楽のための「神話」 〜天の岩屋戸の物語による   大栗 裕
アルトサクソフォーンと吹奏楽のための幻想的協奏曲   伊藤 康英
行進曲 普門バンドフェスティヴァル1987   青島 広志
嵌め込み故郷   阿部 亮太郎
吹奏楽のための木挽歌   小山 清茂
吹奏楽のための「深層の祭」   三善 晃
メトセラII 打楽器群と吹奏楽のために   田中 賢
 
 佼成出版社が邦人オリジナル作品の普及を目的に始めたシリーズの第一弾。
 多岐に渡る選曲が魅力であり、時代的に見ても様々な年代より佳作を集めている。吹奏楽から管弦楽にトランスクリプションされた大栗作品、その逆の小山作品、とこの両者が同時に収録されているのは今となっては面白い偶然だろう。
 このCDの白眉は阿部作品。吹奏楽の音色の多様性を追求したすばらしい完成度を持つ作品である。
 標題作「深層の祭」は三善の傑作であるが、このCDの演奏はTrb.が飛び出すというとんでもない失態が録音されている。ライヴ録音ではないのにこのようなCDを発売するというのは、いささか疑問である。
 田中作品は現音主催のイヴェント、第一回「吹楽」でも演奏され好評を博したものの短縮版である。この録音での演奏解釈には賛否両論あるので、他録音、できれば委嘱団体であるヤマハ吹奏楽団浜松のものと聴き比べてもらいたい。



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