「科戸の鵲巣」よくある質問

 ・2つの版(全曲版とコンクール・エディション)の違いを教えて下さい。

 ・全国大会で演奏されているカットを教えて下さい。

 ・ピアノとハープの楽譜の入手方法を教えて下さい。

 ・Saxに出てくる「multiphony」とは何ですか?

 ・Oboeの運指が分かりません。





2つの版(全曲版とコンクール・エディション)の違いを教えて下さい。

 「科戸の鵲巣 〜吹奏楽のための祝典序曲」の楽譜は、ブレーンより二種類の楽譜が出版(レンタル)されています。
 1つが通常の「全曲版」(演奏時間:約10分30秒)で、もう1つが吹奏楽コンクールの自由曲として演奏できるようにとの依頼によって作曲者自身によって作成された「コンクール・エディション(以下、EC)」(演奏時間:約7分)です。
 全曲版からECへの縮小作業を行った際の、主な変更点は下記の通りです。(小節番号は全曲版のもの)





全国大会で演奏されているカットを教えて下さい。

 2006年の全日本吹奏楽コンクールにおいて春日部共栄高校吹奏楽部および創価学会関西吹奏楽団が演奏して下さっている版(カット)は、出版されている どちらの版とも異なるものです。
 両団体とも、Prestoより前の部分は全曲版を、それ以降の部分はコンクール・エディション(以下、EC)を使用し、なおかつ独自のカットなどを行った、いわば「ディレクターズ・カット」で演奏しています。
 その後、コンクールでこの曲を演奏して下さったバンド(2007年の酒井根中学など)は、ECが若干短い(EC作成依頼を受けた年は、課題曲が長い年でした)こともあり、そのカットを参考にしていることが多いようです。
 もし上記団体と同じカットで演奏したい場合には、全曲版の楽譜一式をレンタルし、なおかつもう片方のスコアを取り寄せ(ブレーンさんのご厚意により、相談に応じて頂けるそうです)、各自のバンドの状況に合わせて適時改編していく必要があります。この作業は、全曲版の一式があり、ECとの相違点を洗い出すことができれば、各バンドで独自に合成できる範囲の難しさだと思います。
 個人的に、292〜295をカットされるのは好きではありません。





ピアノとハープの楽譜の入手方法を教えて下さい。

 2007年以降、多くの団体がハープやピアノを加えて演奏しています。神奈川大学吹奏楽部や創価学会関西吹奏楽団の定期演奏会のライヴCDにも、ハープとピアノが入っています。本来、この作品にこれらのパートは存在しておりません。私が後日追加で作成したオプションパートです。そのため、スコアには載っていませんし、ブレーンからの一式にも含まれていません。
 もともとこの曲は、これらのパートが入ることを想定していませんので、加えてもそれほど聞こえる訳ではありませんが、少しは効果があるかと思います。もしこの楽譜を使いたい場合は、私のところまで直接ご連絡下さい。ブレーンから正式にレンタルして頂いた団体には、私からPDFファイルを無償でお送りしています(こちらが指定したアドレスからダウンロード)。
 なお、このハープとピアノは全曲版のみで、ECの楽譜は作成していません。




Saxに出てくる「multiphony」とは何ですか?

 「multiphony」は、「重音奏法」と呼ばれる特殊奏法です。特殊な指遣いと、息を操って倍音(フラジオレット)をコントロールすることで、複数の音を同時に出す(結果としてひび割れたような音に聞こえる)奏法です。
 もともとプロの演奏を想定して書いた曲ですので、演奏者が一番出しやすい指遣いを使ってもらうために、指遣いは指示していません。もし身近に音大生やプロの人がいれば、重音の指遣いとコツを教えてもらうといいでしょう。

 重音が出しやすい指遣いは、人や楽器によって本当に差がありますので、色々な指遣いを試してみると、よい結果になります。
 何冊か重音奏法を紹介した本が出ていますので、それらを見てみるとよいかと思います。
 もっとも手に入れやすいのは、John Gross著の「Multiphonics for Saxophone」です。
(お店であるATNのトップページはこちらで、top→「エー・ティー・エヌはAdvance Musicの日本総代理店になりました」→サックス と辿るとあります)

 その他、色々な本があります。下記はその一例ですが、ここにあるSaxの本を取り寄せてみるのもいいかもしれません。

Hello! Mr.Sax
Paramètres du Saxophone
(Parameters of the Saxophone)
Jean-Marie Londeix  Musicales Alphonse Leduc  25.50 Euro      
Saxologie Daniel Kientzy NOVA-MUSICA        
Les sons multiples aux saxophones
(カタログのpdfファイルへのリンク)
Daniel Kientzy Salabert   EAS 17543   全サックスの重音奏法に関する本。

 また、他のSaxのために書かれた曲の楽譜を参考にしてみるのも簡単に指遣いを知る手段です。
 例えば西村朗「ラメント」という曲などは、重音奏法がたくさん出てきますし、楽譜も手に入ります

 須川展也さんの演奏でCDも出ていますので、重音の音を知るにもよいでしょう。

 参考までに、私の別の曲で指定したアルトサックスの重音の指遣いを載せておきます。

<基本のキー配列>
基本運指

<重音の指遣い>
重音表


 こんな音が出ます。






Oboeの運指が分かりません。

 この曲のオーボエには、「alternate fingering」(替指)と「double trill」(倍速トリル)という特殊奏法が出てきます。これについて、ECのオーボエのパート譜には、全曲版には無かった注釈が存在しています。
 全曲版の楽譜しかレンタルしていない団体の方にも有効な注釈だと思いますので、ここに掲載しておきます(全曲版では全ての音が異なる運指であるように指定されていますが、ECでは運指の重複が許容されており、全曲版でも難しい場合には同様にしてもよいかと思います)。

オーボエ注釈
 ※ECには高いDでの「alternate fingering」が少ないため、指番号の数が異なっています。

 これらの指遣いはあくまでも一例で、奏者による音程の個人差もありますし、楽器によっても上手くいかない場合があります。そのため、自分でより効果的な指遣いがあればそちらを用いた方がよいでしょう。特に、「alternate fingering」は「D」ではなく「Es」に近い音程になってしまう人も多いようです。要は、微細な音程のゆれと、それによる音色の連続変化があればいいですので、色々試してみて下さい。
 また、「double trill」はフル・オート機構の楽器では不可能なことがあります。その場合、別の運指を探すか、フラッターなどで代用することを検討して下さい。

 実際には、このような音になります。最初に聞こえるのがシングルの「alternate fingering」、続いて聞こえるのが「double trill」です。


 なお、ブレーンからのパート譜に掲載されている運指表が「フォントずれ」を起こしている、という報告も受けています。全ての楽譜がそうなっているのかは未確認ですが、一度確認してみて下さい。



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