1977年を回顧する
(昭和五十二年)




 ベートーヴェン没後百五十年とエジソンが蓄音機を発明して百年目にあたった1977年(昭和
52年)。この年は今考えてみると来日公演の超当たり年ともいうべき凄い年であったと思いま
す。

 たしかに来日したオケや指揮者の数は最近のそれに比べれば少ないものの、その内容はと
んでもないものがあったし、1970年の大阪万博以来という気がしたものでした。しかもこの年は
いわゆるヨーロッパ三大オケがはじめて日本に同じ年に来日したというだけでなく、アメリカナ
ンバーワンのシカゴ、そして東側最高のオケであるレニングラードフィルまでもやってくる。しか
もそれぞれのオケのトップが指揮するのですから、これはまさに驚天動地の出来事でした。ま
たそれプラス、モスクワオペラとベルリン国立歌劇場の引越し公演もあったのですから、もうお
腹いっぱい状態といったところでした。

 また日本のオケに客演する指揮者も半端ではありませんでした。
 
前年に創立50周年を迎えたN響はザヴァーリッシュ、シュタイン、という常連の名誉指揮者だけ
でなく、N響育ての親でもある名誉指揮者ローゼンストック、さらには鬼才ギーレン、名指揮者
ワルベルク、そしてピターミッツ。

東京フィルは名誉指揮者クワドリ、バディスト・マリ、そしてウリ・セガル。

日本フィルはルカーチ、ビェロフラーヴェク、マツラ、そしてインバル。

都響はフルネやマークは来なかったもののアツモンとルイ・フレモーが来日。

東響はルートヴィッヒ・カウフマン。

新星日響はお馴染みのレーヴラインとキューネル。

新日本フィルにはアルベルト・ヴェントゥーラと若き日のスダーンが登場。

ですが圧巻だったのは創立15周年を迎えた読売日響。
 コンマスにノイマンがチェコフィルのコンマスにしようとしたマトウシェクを一年契約で赴任させ
たこのオーケストラはその関係からか、チェコからターリヒ門下のトゥルフリック、ベテランのス
ロヴァークを招聘しましたが、他にも名誉指揮者オッテルロー(急病の為ヘンリー・ルイスに変
更)、アラン・ロンバール、エフレム・クルツ、カジミシュ・コルド、キタエンコ、メータ父子、マズ
ア、そして当時幻の大指揮者といわれたセルジュ・チェリビダッケという超豪華版で1977年の
公演に臨みました。(因みにズビン・メータはロサンゼルスフィルとの来日公演がらみ、スロヴァ
ークはコシュラーとスロヴァキアフィルとの来日公演がらみの招聘でしたが、奇しくもどちらのオ
ケも別々の理由ではありますが来日公演は実現しませんでした。)

 これ以外にも室内オケや室内合奏団、そして多くのソリストが来日していました。その中には
タチアナ・ニコラーエワ、ギドン・クレーメル、グスタフ・レオンハルトの初来日もあり、日本の音
楽界は空前の活況を呈していました。

 とにかく聴き所満載。このため当然全部聴きにいくことなど当時の自分には絶対不可能でし
て、TVやラジオで我慢した公演の方が圧倒的に多かったです。今回この空前の来日公演に沸
いた1977年から三十年という年月がたつこともあり、ちょっとこの年を回顧してみたいと思い、
この頁を制作してみました。自分にとっても特別な意義のある年となった1977年。東京公演中
心のリストですが、よろしければご覧になってみてください。

1〜4月
べルリン国立歌劇場、スダーン指揮新日本フィル、ローゼンストック指揮N響
ベーム指揮ウィーンフィル、ギーレン指揮N響、他
5〜7月
ハイティンク指揮コンセルトヘボウ、インバル指揮日本フィル
ショルティ指揮シカゴ響、ザヴァーリッシュ指揮N響、VSOP、他
8月〜10月
ムラヴィンスキー&マリス・ヤンソンス指揮レニングラードフィル
チェリビダッケ指揮読売日響、他
11月〜12月
カラヤン指揮ベルリンフィル、スロヴァーク指揮読売日響、メータ指揮読売日響
マズア指揮読売日響、シュタイン指揮N響、他


 尚、参考までにこの年の「音楽の友」のカラー表紙を飾った演奏者もここに一覧としてあげて
おきたいと思います。ただ「音楽の友」の場合、1月号ですと前年12月の後半に発売されるため
内容としてはさらにその一ヶ月前の11月が中心となりますので、ここでは1977年3月(コンサート
評や回顧は同年1月中心)から、1978年2月(コンサート評や回顧は77年12月中心)までと、参考
までに1977年の1月と2月をあげることといたします。

(1月) ヴァーツラフ・ノイマン
(2月)江藤俊哉
(3月)テオ・アダム
(4月)團伊玖磨
(5月)カール・ベーム
(6月)海野義雄
(7月)ミシェル・ベロフ
(8月)ゲオルグ・ショルティ
(9月)ジョルジュ・シフラ
(10月)芥川也寸志
(11月)マリア・カラス
(12月)セルジュ・チェリビダッケ
(1978年1月)ヘルベルト・フォン・カラヤン
(1978年2月)ズビン・メータ


 参考までに1977年がどういう年であったか[ザ・20世紀]1977年の項目をご覧ください。
 各頁右上にもリンクしておきます。


※茶色で記した公演は自分が行った公演です。

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