名称 パンの靴
種別 衣料・飲食物
出典 ドイツの伝説

  パンをえぐって作った靴、または、パンを踏み石のかわりにしたもの。贅沢あるいは無駄遣いの象徴で、これを履いたり踏んだりするのは、たいてい、若い娘である。この悪行の結果、娘は地面に飲み込まれてしまう。特に、パンの靴をはいて教会へ行く、パンの靴を履いて(履かされて)埋葬されるなどの場合、呪いは顕著となる。その報いは、ほとんどの場合、大地に飲み込まれるか、石に変えられるかであるようだ。

  パンが、小麦から作られる重要な食物であり、麦畑にはドイツ〜ロシアにかけて、そこに住む精霊がいる事、すなわち文字通り大地の恵みである事に注目しなければなるまい。また、キリスト教では、「祝福されたパンはキリストの体である」とされている事も考えなければならないだろう。いずれにせよ、穀物から作られたものは、古今東西、重要な宗教的供物として扱われている。

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〔参考〕
「ドイツ伝説集」グリム(人文書院)
「ヨーロッパの神話伝説」ジャックリーン・シンプソン(青土社)