名称 子孵しの銭
種別 財宝
出典 ドイツの伝説

  毎晩、同じ種類の貨幣をもう一枚生み出す銭。
  子孵しの銭は、このようにすれば手に入れられる。

  1. 降誕祭前夜、同じ種類の銭を30枚用意し、暗くなる頃に辻に立つ。
  2. 辻の真ん中に30枚の銭を1枚ずつ並べて円を作る。
  3. ミサの始まりを知らせる鐘が鳴り出したら、右回りに銭をひとつずつ、数えていく。
  4. 数え終わったら、左回りに同じようにひとつずつ銭を数えていく。

  これをしている時は、悪魔が様々な妨害をするが、もし、少しでもつかえたり数え間違えたりすると、悪魔によって首をひねられてしまう。正しく数え終われば、悪魔は、道に並べられたのと同じ種類の銭を1枚投げてよこす。これが、子孵しの銭である。

  子孵しの銭を作るために使う貨幣は、ペニヒかグロッシェン、あるいはターレルと説明されているが、悪魔と関わりがある事、上限が銀貨(ターレル)である事、枚数が30枚である事は、ユダがイエスを売り渡した銀貨30枚を連想させる。但し、右回り、左回りに何かをめぐる儀式は、古代の呪術に由来するのではないかと考えられる。

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〔参考〕「ドイツ伝説集」グリム(人文書院)