名称 ワブ革
種別 器物
出典 「ふとした表紙に」

  火星の原生動物ワブの革。ワブは、病気や老衰で死ぬ事はなく、殺す事は大変難しい。事実上、死なない。革となった状態ですら、空気中に含まれている栄養素を毛穴から吸収して生きており、革に傷をつけても、いつのまにか修復されるだけでなく、そのけばは、年を経るにつれてますます豪華に美しくなる。このため、室内装飾などに珍重される。更に、ワブは、「ワブを含め、全ての生物は不死である」という確固たる信念を持っており、もしワブ革で本を装丁したとすると、本文中に含まれている、「ワブを含め全ての生物は不死」という概念に相違する箇所は、ワブによって全て書き換えられてしまう。

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〔参考〕「ふとした表紙に」フィリップ・K・ディック 『ゴールデン・マン』(ハヤカワ文庫SF)所収