特集 第1回

アジア映画

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新コンテンツ、第1回目は ”アジア映画特集” です。
チャン・イーモウ作品や、ウォン・カーウァイ。
そして、『シュリ』『カル』など、ここ1・2年のアジア系映画の
進歩はめざましい勢いです。
そして、この ”Rick” も、ウォン・カーウァイの『天使の涙』を観て以来、
アジア系作品にハマってしまいました。
そこで、特集第1回目として、近年のアジア映画を
特集してみたいと思います。

 

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ここ最近、アジア系映画の勢いが凄まじい・・。
中国・香港映画を中心に、韓国、イラン、タイ、インド、シンガポール・・と、
ここ数年の間にアジア映画は、かなりの勢いで日本公開をしています。
これだけアジアの映画が、日本で上映されるようになったのは、
渋谷に90年頃から続々と出来てきた ”単館系” 映画館が、
アメリカ映画だけではなく、アジアも含む世界各国の作品を取り上げ、
それが、全国の ”単館系” 映画館に広まって行ったこと、
そして、DVDソフトの復旧に伴い、ハリウッド寄りの作品群ばかりでなく、
数多くの各国の作品がリリースされてきているのがきっかけである
のではないかと少なからず思っています。
もっとも、私はアジア系映画を観出したのは ごく最近で、こんな経験の浅い
ほとんどビギナーの私がこんな特集を組むなんて、昔からのアジア映画ファンの方が
ご覧になったら叱られてしまうかもしれませんが・・。(苦笑)
例えば、香港映画でしたら、今までは 『香港映画』 といえば、ブルース・リー、
ジャッキー・チェンなどのカンフー映画や、ジョン・ウー監督の『男達の挽歌』などのような
アクション系作品しか恥ずかしながら思い浮かびませんでした。
しかし、今まで観てきたハリウッド系映画にそろそろ ”飽き” を感じていた時に
”単館系映画” の素晴らしさを体験し、ヨーロッパの映画を好んで観るようになりました。
(この、”単館系映画” いわゆる ”ミニ・シアター” のことは、前回の 1周年記念特集、
『ミニ・シアターのススメ』 のページをご覧ください。)
そして、”単館系” 映画を観ていくうちに、一つのアジア映画作品に出会いました。
ウォン・カーウァイ監督の 『天使の涙』です。
初めは「ふーん。香港の映画なんだ・・。」 なんて感じでしかみてなかったのですが、
映画を観てみると、自分が考えていた香港映画と、全然違うのです。
香港特有のネオンと雑踏の中で、鳴り響くポップ・チューン・・。
そして、めくるめく映像美・・。びっくりしました。
「これが、現代の香港映画なんだ。」
その日から、香港、中国の作品を中心に次々と観まくりました。
ウォン・カーウァイ監督作品を中心に、チャン・イーモウ監督作品。メイベル・チャン作品。
そして、韓国の作品。アジア系にハマる ちょっと前から観だした、イラン映画・・・。

・・・さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、
今回のこの ”特集” は、自分的に ”現在、旬” のこの 「アジア映画」、
なかでも、中国・香港・韓国の映画を中心に取り上げてみようと思います。

■中国・香港映画■

日本で中国映画が広く注目されたのは 『さらば、わが愛/覇王別姫』 (1993年 チェン・カイコー監督)
の大ヒットがきっかけでした。 その前にも数多くの作品が公開されていましたが、
ごく少数の映画ファンたちだけが観ていたという状況でした。
それ以後、中国映画が注目され、各地で 「中国映画祭」 や 「特集上映」 が盛んに行われています。
ところが、中国本土の映画界は、一大危機に見舞われているそうです。
映画観客数が、十年前の十分の一に激減しているといわれています。
その理由は、TVの普及、格安のVCDの流出・・といろいろありますが、
中国には 「映画管理条例」 なる法律が1996年に施行され、
中国国内で製作された映画は、国の審査を通らないと上映できなくなった為といわれます。
しかし、チャン・イーモウなど大物の監督はアメリカの映画会社と手を組み、製作して成功を収めています。
大物監督がアメリカや、フランスの映画会社と手を組み、成功したことで、若い監督もそれに習い
中国国内ではなく、欧州などで上映する動きが出てきています。
香港も実は、映画は低迷していて、観客の映画館離れが続いているそうなのです。
1997年、中国に返還されてからというもの、スター不足、VCDや、衛星放送の影響などが
原因だと考えられますが、最大の原因は、返還以来 大物たちがハリウッドへ移ってしまっている
ということでしょう。 しかし反面、ハリウッドに移ったおかげで、資金が集まり、今まで以上に
素晴らしい作品を作り上げた監督もいます。
アン・リー監督の 『グリーン・デスティニー』、チャン・イーモウ監督の 『初恋のきた道』 などが、
最近の作品でアメリカと手を結んで成功した例です。
「才能ある人材は積極的に取り入れる」 姿勢のハリウッド映画によって、
中国、香港の映画界は大きく変化しようとしています。
また、メイベル・チャン監督のように、中国返還を期に、過去の香港を振り返り、
若い世代が、親達が生き抜いてきた香港という街のルーツを探り、
これからどうあるべきか を描いた作品も出てきていますし(『玻璃の城』)、
ウォン・カーウァイ監督のように独自の、独特の映像描写で日本、ヨーロッパで、
高い評価を受けている監督も出てきました。(『恋する惑星』『天使の涙』など)
これからの、中国・香港映画、内外でもっと、もっと期待できそうですね。

■韓国映画■

韓国も、観客達はアメリカ、ハリウッド映画に夢中で、自国の映画に関心を持っていませんでした。
もちろん、映画製作は行われていて、 『風の丘を越えて-西便制』 (1993年 イム・グォンテク監督)や、
『祝祭』 (1996年 イム・グォンテク監督)など、日本で公開された作品などがありました。
当時は韓国の映画関係者は 「このままでは、韓国の映画は滅亡してしまう・・」 との危機感を
持ちながら製作していたといいます。 さらに、1999年から禁止されていた日本の映画の上映が始まり、
韓国映画人たちは、街頭デモまでしたそうです。
1996年から、釜山国際映画祭が開催されるようになり、世界中から様々な映画が集まってきて、
一般の人々も映画への面白さを確認し、ハリウッドものしか観なかった人達が、映画祭によって
映画の魅力を求め、映画館に集まりだし、活気を呼び始めたそうです。
そんな時期に登場したのが、『シュリ』 (1999年 カン・ジェギュ監督) で、
韓国でも大ヒットした 『タイタニック』 の記録を塗り替え、本国でも ”韓国映画の復活” を
象徴する作品になりました。 さらに、『ディナーの後に』 (1999年 イム・サンス監督) の
ように、生活に密着した映画で、女性客を引きつけた作品も生まれ、いろいろな題材をテーマに
製作も活気が戻ってきているようです。 日本でも 『8月のクリスマス』 (1998年 ホ・ジノ監督) や、
2000年のヒット作 『カル』 (1999年 チャン・ユニョン監督)、『美術館の隣の動物園』 (1998年
イ・ジョンヒャン監督) や、『ペパーミント・キャンディ』 (1999年 イ・チャンドン監督)など、
コンスタントに上映されてきていて、今、アジアで一番熱く活気がある国ではないかと思います。

その他、『友だちのうちはどこ?』『桜桃の味』 で良く知られているアッパス・キアロスタミ監督の
イラン映画。グレン・ゴーイ作品 『フォーエバー・フィーバー』 のシンガポール映画。 『Hole/洞』 や、
『河』 『愛情萬歳』 のツァイ・ミンリャン監督の台湾など・・高水準の素晴らしい作品が沢山出てきています。
これからのアジア映画、大きく変化していくのではないかと思います。今後のアジア映画に期待しましょう。

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■Rick がオススメするアジア映画■

恋する惑星 / Chungking Express 1994年・香港
 監督/ウォン・カーウァイ 出演/カネシロ・タケシ トニー・レオン フェイ・ウォン ブリジット・リン
 ■ウォン・カーウァイの代表作品。2部構成からなる、”すれ違い” のラブ・ストーリー。
 ウォン・カーウァイ風、ロード・ムービーです。 「夢のカリフォルニア」が、心に残ります。
天使の涙 / Fallen Angels 1995年・香港
 監督/ウォン・カーウァイ 出演/レオン・ライ カネシロ・タケシ チャーリー・ヤン カレン・モク
 ■様々な音があふれ、ネオンきらめく香港の街を舞台に5人の男女の、切なく、愛しく、おかしく
 涙ぐましい恋が失踪する! クリストファー・ドイルの映像美が素晴らしい作品です。 
ラヴ・ソング / Love Song 1996年・香港
 監督/ピーター・チャン 出演/レオン・ライ マギー・チャン
 ■よりよい生活を求め、中国本土から香港へ、そして返還前に欧米へ・・返還を迎えた香港の姿
 を背景に描いたラブ・ストーリー。 テレサ・テンの曲が時代背景と恋人たちの心情とマッチします。
玻璃(ガラス)の城 / City Of Glass 1998年・香港
 監督/メイベル・チャン 出演/レオン・ライ スー・チー ニコラ・チャン ダニエル・ウー
 ■70年代と90年代という異なる世代の4人の若者の姿を通して、70年代初頭から97年の中国
 への返還に至るまでの香港の現代史を描いた秀作です。 『宗家の三姉妹』のベイベル・チャンが
 自分を育んでくれた香港に対する想いが表現された作品となりました。
メイド・イン・ホンコン / Made In Hongkong 1997年・香港
 監督/フルーツ・チャン 出演/サム・リー ネイキー・イム ウェンバース・リー
 ■中国返還間近の香港の雑踏に中に生きる少年達のはかない姿を描いた作品です。”『憎しみ』、
 『トレインスポッティング』『KIDS』と並ぶ90年代最高の青春映画” と絶賛されました。
カル / Tell Me Something 1999年・韓国
 監督/チャン・ユニョン 出演/ハン・ソッキュ シム・ウナ
 ■『シュリ』に続き韓国映画界が放った衝撃の作品。韓国ではタブーといわれている猟奇殺人モノ
 にあえて挑んだ作品です。謎が謎を呼ぶハード・ゴア・サスペンス。観て損はない作品です。
8月のクリスマス / Chistmas In Augusut 1998年・韓国
 監督/チャ・スンジェ 出演/ハン・ソッキュ シム・ウナ シン・グ
 ■韓国で観客のすすり泣きを誘う大ヒットを記録し、日本のみならず世界各国の映画祭でも好評を
 博したラヴ・ストーリーです。難病ものでありながら、感情に直接訴えかけることを避け、むしろ爽や
 かな余韻を残す作品です。『カル』のハン・ソッキュ、シム・ウナのコンビ初顔合わせ作品です。
美術館の隣の動物園 / Art Musium By The Zoo 1998年・韓国
 監督/イ・ジョンヒャン 出演/シム・ウナ イ・ソンジェ
 ■韓国発、とびきりキュートで爽やかなラヴ・ストーリー作品です。全く対照的な質の異なる2人が
 出会い、互いに認め合い理解していく過程の物語。コミカルで爽やかな映画です。 シム・ウナが、
 ださ・カワイイです。
初恋のきた道 / The Road Home 2000年・中国、アメリカ
 監督/チャン・イーモウ 出演/チャン・ツィイー スン・ホンレイ チャオ・ユエリン
 ■一本の道を通して育まれた一途な愛を描いた秀作です。『菊豆』『赤いコーリャン』『あの子を探し
 て』などと、次々とヒットを飛ばすチャン・イーモウの純愛ドラマ。世代を超え人を愛する尊さを教えら
 れる作品です。中国のきれいな風景とチャン・ツィイーの可愛さが印象的です。
菊豆(チュイトウ) / Ju-Dou 1990年・中国、日本
 監督/チャン・イーモウ 出演/コン・リー リー・パオティエン リー・ウェイ
 ■解放前の中国を舞台に、老いた染物屋の夫のもとに嫁がされた”菊豆”の許されぬ愛を描いた問
 題作です。チャン・イーモウの初期の傑作で、前作『赤いコーリャン』同様、赤を基軸とした原色の鮮
 烈な色彩世界が素晴らしいです。



■見逃してしまったけど、絶対に観たい作品■

あの子を探して 1999年・中国、アメリカ
 監督/チャン・イーモウ 出演/ウェイ・ミンジ チャン・ホエクー
 
 ■世界が泣いた、チャン・イーモウの感動の名作。13歳の小さな先生と28人の子供達が織りな
 す感動のストーリー。 昨年上映期間が短く、観に行くことが出来なかった作品です。
 
宗家の三姉妹 1997年・香港、日本
 監督/メイベル・チャン 出演/マギー・チャン ミシェル・ヨー ヴィヴィアン・ウー
 
 ■近代中国史を動かした実在の三姉妹の人生を描いた作品。東京の岩波ホールで、延べ314日
 間上映しました。 公開当時はあまり、中国系に興味無かったため、観ませんでした。 しかし、これ
 を観た人達は皆、大絶賛しています。 特に うちのHPにいつもお越しいただいている RUKA さんは
 この作品、ベタ誉めです。 DVDソフトもようやく2001年3月にリリース。
 
HOLE 1998年・台湾、フランス
 監督/ツァイ・ミンリャン 出演/ヤン・クイメイ リー・カンション
 
 ■台湾のミュージカル映画。マンションの部屋に開いた穴を通して繰り広げられる男と女の交流。
 この作品は、アジアスーパーシネセンターの店長、りりこさんにご推薦いただきました。
 
ペパーミント・キャンディ 1998年・日本、韓国
 監督/イ・チャンドン 出演/ソル・ギョング ムン・ソリ
 
 ■一人の自殺した男のその瞬間から遡る記憶を描いた甘く切なく、また苦い回想録。
 これは、去年のはじめから「観たい、観たい」と言いつづけて、やっと公開されたのがたったの1週
 間だったことで残念ながら観れなかった作品です。 ソフト・リリース、2001年3月。
 
沈む街 1996年・中国
 監督/ツァン・ミン 出演/チャン・シャンミン チャン・ピン
 
 ■実際に多くの住民が移住を迫られた山峡ダムの工事によって、水没する運命にある田舎町の
 事件を描いた作品です。監督は ”中国6世代のゴダール” と評されました。
 これも、気になっていて観たかったのですが、観にいけず・・。未だにソフト・リリースしていません。
 

 

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Produced by "Rick"