007 作品紹介

 

シリーズ1作目 ドクター・ノオ (Dr.NO) / 1962年作品
監督/ テレンス・ヤング 敵役/ ドクター・ノオ=ジョセフ・ワイズマン ボンドガール/ ウルスラ・アンドレス
■宇宙ロケットを妨害する怪電波の調査に当たっていたイギリス諜報員がジャマイカで殺される。早速現地に派遣
されたボンドは、”ドクター・ノオ” と名乗る中国人博士が所有する島に秘密が隠されていることを知る・・・。
記念すべきシリーズ初作品。比較的低予算で作られたにもかかわらず、予想外の大ヒットで映画史に燦然と輝く長
寿人気シリーズとなる布石をつくりました。 タフで知的なスパイを颯爽と演じたコネリーの魅力と、歯切れの良いアク
ション、お色気を満載の荒唐無稽なストーリーが上手く絡み合い、 一つのストーリーの中に娯楽映画の要素をふんだ
んに取り入れた作品となりました。 監督のテレンス・ヤングはこの他にシリーズ2作を演出しています。
ベッドのシーツのなかから巨大なタランチュラが這い出てボンドを襲うシーン、クライマックスのドクター・ノオと対決する
シーンなど、見どころいっぱいの作品です。この作品は公開当時の邦題が 『007は殺しの番号』 というタイトルになっ
っていたのを、72年のリヴァイバル公開時に 『ドクター・ノオ』 に改題しました。
 
シリーズ2作目 ロシアより愛をこめて (FROM RUSSIA WITH LOVE) / 1963年作品
監督/ テレンス・ヤング 敵役/ レッド・グランド=ロバート・ショー ローザ・クレップ=ロッテ・レーニャ
ボンドガール/ ダニエラ・ビアンキ
■ソ連の暗号解読器を渡すことを条件にイギリスに亡命を望む女性タチアナが、ボンドに接触。 その裏には、世界的
犯罪組織 ”スペクター” の恐るべき陰謀があった。 罠と知りつつボンドはイスタンブールに向かう・・・。
ボンドが殺される!というスリル満点のオープニング(実は替え玉) ベニス、イスタンブールへ、そしてオリエント急行
での大格闘・・とめまぐるしく変わる舞台。全てにパワーアップしたA級娯楽大作です。 007映画としてのパターンが
形成された傑作です。 本作で初めて Q が登場しました。これ以降、シリーズの名物レギュラーとなりました。 その
Q が発明した秘密兵器の傑作が、万能アタッシェ・ケース。 オリエント急行内で殺し屋グラントに迫られた時に、中に
仕掛けた催涙ガスが噴出するシーンはあまりにも有名です。 殺し屋グラントを演じるロバート・ショー、ドイツの名優ロ
ッテ・レーニャ扮する不気味な女殺し屋クレップは、強烈な存在感があり、その後のシリーズの殺し屋の原形を作り上
げました。 ボンドガールの魅力も抜群で、ボンドの寝室でシーツ1枚で彼を待つロシアの美女ダニエラ・ビアンキの美
しさは、歴代最高とまで言われています。 この作品も日本公開当時、『007危機一髪!』 という邦題で、リヴァイバル
時に 『ロシアより愛をこめて』 と改題されました。
 
シリーズ3作目 ゴールドフィンガー (GOLDFINGER) / 1964年作品
監督/ ガイ・ハミルトン 敵役/ ゴールドフィンガー=ゲルト・フレーペ オッドジョブ=ハロルド・サカタ
ボンドガール/ オナー・ブラックマン シャーリー・イートン
■イギリスの金が大量に海外に流出され、ボンドはその黒幕とされる ”ゴールドフィンガー” に接触をする。 彼は世界
有数金保持者で、自分の金の価値を高めるために、アメリカの金を核汚染させようとしていた・・・。
機知とユーモア、想像力に富んだストーリー、魅力的な美女、スケールあふれる悪党、ボンドカーを始めとする秘密兵
器・・・。007シリーズのパターンが完成された作品です。あらゆる点で映画史上最も成功した作品といわれています。
日本公開時には映画館の外に長蛇の列ができるほどの記録的大ヒットとなりました。監督はテレンス・ヤングに代わ
ってガイ・ハミルトンが担当。 ボンドの秘密兵器で、ナンバー変更装置やナイフが飛び出すタイやを搭載したアストン・
マーチンが初登場。 また、必殺敵中の帽子でボンドに襲いかかるオッドジョブとの対決、身体全体を金で塗りたくられ
た美女の死体など、後世に残る名場面が満載です。 尚、有名なフォートノックスの内部は撮影も見学も許されなかっ
た為、写真を参考に10万ドルをかけて、実物大レプリカが作られたそうです。 ラストの時限爆弾が爆発寸前、007秒で
止まるシーンはユーモア & サービス精神たっぷりです。
 
シリーズ4作目 サンダーボール作戦 (THUNDERBALL) / 1965年作品
監督/ テレンス・ヤング 敵役/ ラルゴ=アドルフォ・チェリ
ボンドガール/ クロディーヌ・オージェ リチアナ・パルッツィ 
■原爆を搭載したNATOのジェット機が ”スペクター” に奪われた。原爆奪還の指令を受け、ボンドはジェット機が消え
たバハマへと飛ぶ。 そこで出会ったのは美しい愛人を従えた大富豪ラルゴだった・・・。
ボンドが噴射リュックを背中に着用し、空を飛ぶオープニングがなんとも痛快な作品。 本作はバハマでの大掛かりな
ロケーションが行われ、007=贅沢なリゾート映画といった図式が出来あがりました。 この作品での見所となるのは、
水中アクションです。ハイテク機器を駆使して、水中とは思えない迫力の映像が出来あがりました。 水中戦車や水中
銃を駆使した、水中でのアクションは迫力あります。 またボンドガールのクロディーヌ・オージェが着用していたSEXY
なネット状の水着姿も話題になりましたね。 このバハマロケには、少し前に撮影をしていたビートルズの 「ヘルプ!」
のロケよりも多くのファンがあつまったそうです。
 
シリーズ5作目 007は二度死ぬ (YOU ONLY LIVE TWICE) / 1967年作品
監督/ ルイス・ギルバート 敵役/ ブロフェルド
ボンドガール/ 浜美枝 若林映子
■米ソの宇宙カプセルが謎のロケットに捕獲され、軌道上から姿を消す事件が続発。イギリス諜報部はその妨害ロケ
ットの基地が日本にあると突き止める。 ボンドは日本に飛び、盟友タイガー田中の協力で調査を進める・・・。
「日本を舞台にボンドが大活躍!」・・・撮影前から日本で話題となり、公開当時からシリーズ中最も奇想天外で異色
な作品とされた本作。 日本の各地でロケが行われ、姫路城、蔵前国技館も登場しました。日本側から丹波哲郎、若
林映子、浜美枝が出演しました。ボンドカーとして登場した ”TOYOTA 2000GT” は、本作のためにカスタム生産され
たオリジナル限定車です。 また、一人用ヘリコプター ”リトルネリー” も話題になりました。 本作中でボンドは日本人
に変装するシーンは笑えました。(笑) それから、いままで顔を一切見せなかった敵役、 ”スペクター” の首領、ブロ
フェルドが本作で初めて素顔を露にしました。
 
シリーズ6作目 女王陛下の007 (ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE) /
                                                       1969年作品
監督/ ピーター・ハント 敵役/ ブロフェルド=テリー・サバラス
ボンドガール/ ダイアナ・リグ
■失踪した ”スペクター” の首領ブロフェルドを追っていたボンドは、伯爵令嬢 トレイシーの父から敵の情報を入手。
ブロフェルド邸に浸入したボンドは、恐るべき 「オメガ・ビールス」 計画を知る・・・。
固定イメージを恐れて降板したショーン・コネリーに代わり、モデル出身のレイゼンビーがボンド役に。 前シリーズより
原作に忠実に製作された本作は、ボンドがはじめて真実の恋に落ちた女性トレイシーに出逢い、結婚します。 本作で
は秘密兵器や、大仕掛けな兵器が少なくなった分、生身の身体を張ったアクションが強調されていて、クライマックス
のカー・チェイスから、スキー・チェイスへ、さらに爆破シーンからボブスレーでの格闘は息も付かせないほどの迫力で
す。 今ではすっかりおなじみになったスキー・チェイスの発祥は本作です。
 
シリーズ7作目 ダイヤモンドは永遠に (DIAMONDS ARE FOEVER) / 1971年作品
監督/ガイ・ハミルトン 敵役/ ブロフェルド=チャールズ・グレイ 
ボンドガール/ ジル・セント・ジョン
■アフリカから密輸され、行方がわからなくなったダイヤを探すため、ボンドはダイヤの運び屋に変装。 やがて、ステ
ファニーという女からダイヤの運搬を依頼されるが、その裏に黒幕ブロフェルドの存在を嗅ぎつける・・・。
ボンドを降板したコネリーが、再度請われて返り咲いた作品です。 「ゴールドフィンガー」 以来のハミルトン監督作で、
ブロフェルドとの死闘が繰り広げられます。 舞台はシリーズ初のアメリカ・ロケ。ロスや、ベガスでのカジノのシーン等
ハリウッド映画さながらです。 冒頭、袴姿の男が日本間でボンドと格闘するシーンに唖然! また、今回のボンドは棺
に入れられ危うく焼かれそうになったり、催涙ガスで眠らされた揚句、生き埋めになりかかったりと危機の連発で、ハ
ラハラものです。 宿敵ブロフェルドのほかに、人を食ったような殺し屋コンビの執拗な追跡や、黒人美女コンビとの生
身の対決、ムスタングでのカーアクションなど、見所は満載です。
 
シリーズ8作目 死ぬのは奴らだ (LIVE AND LET DIE) / 1973年作品
監督/ ガイ・ハミルトン 敵役/ ドクター・カナンガ=ヤフェット・コットー
ボンドガール/ ジェーン・シーモア
■麻薬シンジケートを捜査中の英国諜報員が3人続けて殺害された。 調査のためニューヨークに飛んだボンドは、黒
人活動家カナンガに焦点を絞る。 彼はサン・モニク島の首相を務めながら、恐るべき裏の顔を持っていた・・・。
以前からボンドを演じているような余裕の表情で、ロジャー・ムーアが初登板します。 この当時、アメリカはベトナム戦
争やウォーターゲート事件など、暗い世相を背負っていて、観客は軽く、ユーモラスなものを求めていました。 それに
ムーアのソフト・タッチの持ち味が絶妙に溶け込み、世界的に大ヒットしました。 以後、シリーズはより娯楽的要素を
強くしていきます。 公開当時、話題になった空飛ぶモーター・ボートは、135馬力フライトエンジンを搭載した特殊モデ
ル。 また、ワニの背中をジャンプして逃げるシーンは圧巻でした。 ボンドガールには、TVシリーズ 「西部の女医 ドク
ター・クイン」 で有名なジェーン・シーモアが魅力たっぷりに好演。 実はボンドガールを選考する時に、あのカトリーヌ・
ドヌーヴも候補に上がっていたといわれています。 尚、本編にはお馴染みのレギュラー、”Q” は登場していません。
 
シリーズ9作目 黄金銃を持つ男 (THE MAN WITH THE GOLDEN GUN) / 1974年作品
監督/ ガイ・ハミルトン 敵役/ スカラマンガ=クリストファー・リー
ボンドガール/ ブリット・エクランド モード・アダムス
■英国諜報部に届いた007への挑戦状。それは、黄金銃を持つ、謎の殺し屋スカラマンガからであった。 彼を追って
香港に飛んだボンドは、彼が太陽エネルギー利用の特殊兵器で巨万の富を得ようとしていた・・・。
イアン・フレミングの遺作となった本作、原作ではジャマイカを舞台にしているのですが、映画化では香港・マカオ・タイ
といった東南アジアに変わり、オリエンタル・ムード満載な作品となりました。当時ブームとなっていたカンフーを取りれ
て話題になりました。 公開時、評判となったのが、ホーネットが空中一回転するシーン。ジャンプ台は、マサチューセッ
ツ工科大の最新鋭コンピュータを使い設計されたものだそうです。 また、スカラマンガの万年筆やタバコケースなどを
組みたてた黄金銃の変身シーンも見物です。 その悪役スカラマンガは、ドラキュラ役でお馴染みのクリストファー・リー
が冷血漢たっぷりに演じました。彼はフレミングの従兄弟に当たるそうで、1作目の 「ドクター・ノォ」 は彼をモデルに書
かれているそうです。
 
シリーズ10作目 私を愛したスパイ (THE SPY WHO LOVED ME) / 1977年作品
監督/ ルイス・ギルバート 敵役/ ストロンバーグ=クルト・ユルゲンス ジョーズ=リチャード・キール
ボンドガール/ バーバラ・バック
■英・ソの原子力潜水艦が次々に行方不明に。調査に向かったボンドは、ソ連から派遣された女スパイのアニヤと遭
遇。やがて二人は海運王ストロンバーグの世界制覇の野望が一連の事件を引き起こしたことを知る・・・。
シリーズの記念すべき10作目で、ムーア=ボンドの代表作ともなった大ヒット作です。フレミングの原作では、女性が
綴る手記という形式だったため、タイトルだけを使用し、内容は映画オリジナルのものとなったそうです。 アルプスでの
スキーチェイスに始まり、エジプト砂漠から地中海へと、スケールの大きさに加え、ニュー・ボンドカーの登場、歴代殺し
屋No.1の人気を得た ”ジョーズ” の出現など、どれを取っても娯楽度満点です。 ニュー・ボンドカー ロータス・エスプ
リが潜水艦に変身するシーンは、圧巻です。 東西の緊張緩和に即して、英・ソのスパイ同士が手を組むという展開も、
タイムリーに順応しています。
 
シリーズ11作目 ムーンレイカー (MOONRAKER) / 1979年作品
監督/ ルイス・ギルバート 敵役/ ヒューゴ・ドラックス=マイケル・ロンスデール 
                    ジョーズ=リチャード・キール
ボンドガール/ ロイス・チャイルズ
■英国へ空輸中のスペース・シャトル ”ムーンレイカー” が盗まれた。調査に向かったボンドは、ムーンレイカーを開発
した謎の科学者ドラックスに接近。彼は人間抹殺の科学兵器を開発して、新帝国を作り上げようとしていたのだった。
「スター・ウォーズ」の大ヒットでSF映画ブームが巻き起こり、現実にもスペース・シャトルの打ち上げ間近とあって、こ
れまでにないSFタッチと宇宙が舞台という派手な話題を提供した超大作です。NASAの全面協力で、当時製作途中
のスペース・シャトルとほとんど同じものがスクリーンに登場し、話題になりました。 本作は英仏合作だったため、両国
のスタジオに巨大なセットが建設されました。中でもイギリスのスタジオには暗黒の無重力空間を再現。リアルな迫力
となりました。見所は、ベニスの運河のチェイス。ボンドのゴンドラが高速ボートや水陸両用ホバークラフトへと変身する
シーンはなかなか面白いです。 また、前回から引き続き登場のジョーズの活躍が増え、特に冒頭の空中バトルシーン
はスリル満点です。 途中、RIOのカーニバルも見ることが出来、見所満載の作品です。
 
シリーズ12作目 ユア・アイズ・オンリー (FOR YOUR EYES ONLY) / 1981年作品
監督/ ジョン・グレン 敵役/ クリスタトス=ジュリアン・グローバー
ボンドガール/ キャロル・ブーケ
■イギリス情報収集船が低周波ミサイル誘導装置ATACと共に沈没し、船の引き上げを依頼された海洋考古学者の
夫婦が殺害された。事件の鍵を握るのは、大富豪クリスタトス。ボンドは夫妻の娘メリサと共に事件の核心を追う・・。
1作ごとに奇想天外度がアップするシリーズへの反省をこめ、ボンド映画の原点に帰るべく製作された作品。 ハイテク
に頼らずに生身のアクションと知性を駆使して敵に立ち向うボンドの活躍が存分に堪能できる会心作となりました。
冒頭のボンドが亡き妻の墓参りをするシーンが印象的です。 アクションのハイライトは、ギリシャの大絶壁でのロック・
クライミング。世界的スタントマン、リック・シルヴェスターの息を呑む熱演が見事です。 また、エンディングにサッチャー
首相のそっくりサンが出てくるシーンは笑えます。 本作はこれまでシリーズのアクション監督や、編集を担当していた
ジョン・グレンが初めて監督に昇格され、歯切れの良いタッチで描いています。 尚、ボンドガールの一人、カサンドラ・
ハリスは、この撮影中に、ピアース・ブロスナンと結婚。ブロスナンは撮影中によく遊びに来ていたそうです。( なんで
もアルバート・ブロッコリは、既にこのとき彼をボンドに抜擢するつもりでいたとか・・。 ) 彼女は2人のボンドに愛された
唯一の女性となりました。 (ハリスは91年、癌で亡くなっています。)
 
シリーズ13作目 オクトパシー (OCTOPUSSY) / 1983年作品
監督/ ジョン・グレン 敵役/ カマル・カーン=ルイ・ジュールダン
ボンドガール/ モード・アダムス
■何者かに殺された009が持っていたロシアの秘宝 ”ファベルジュ・エッグ” の偽物。 謎を追うボンドは、その本物を
競売で落札した大富豪カマル・カーンに不審を抱く。 彼が謎の美女オクトパシーと計画している陰謀とは・・・?
インドの奥地で、神秘の美女軍団オクトパシー・ガールズ30人が迫る! イギリス本国で絶賛された作品。 「黄金銃を
持つ男」 でボンドガールを務めたモード・アダムスが異例の再登場となったことが当時話題になりました。 前作では、
敵側の愛人に過ぎなかったが、本作では強力な美女軍団のボスを好演しています。 見所といえば、冒頭のボンドが
小型ジェット機 ”アクロスター” で敵のミサイル機とスカイバトルを展開するシーン。このシーンは数あるシリーズの中
でも群を抜いた面白さです。ガソリンスタンドに降り立ち、「満タンで。」 と言うところがなんとも笑えます。 また、今回
から他界したバーナード・リーに代わって、ロバート・ブラウンがM役で登場しました。
 
シリーズ14作目 美しき獲物たち (A VIEW TO A KILL) / 1985年作品
監督/ ジョン・グレン 敵役/ マックス・ゾーリン=クリストファー・ウォーケン
                 メイ・デイ=グレース・ジョーンズ
ボンドガール/ タニア・ロバーツ
■英国が開発した最新の軍事防衛システム用のマイクロチップがKGBに流出!その裏には、世界最先端のエレクトロ
ニクス産業の社長ゾーリンが関わっているとの情報を得たボンドは、金持ちの道楽者を装って彼に接近する・・・。
エッフェル塔のスカイダイビングからロンドンのアスコット競馬、サンフランシスコのゴールデンブリッジでの死闘まで、ゴ
ージャスなムード満点に描かれた作品です。 ムーア=ボンドのフィナーレを飾るにふさわしい、華やかな娯楽作となり
ました。野望に燃える不気味な悪役ゾーリンを演じたクリストファー・ウォーケンは、「ディア・ハンター」でアカデミー賞助
演男優賞に輝いたばかりでした。 本作以降、怪優道を突っ走る形になりました。 また、メイ・デイ役の グレース・ジョー
ンズ は、シリーズ歴代の殺し屋のなかでも異色の存在です。
 
シリーズ15作目 リビング・デイライツ (THE LIVING DAY LIGHTS) / 1987年作品
監督/ ジョン・グレン 敵役/ ゲオルギ・コスコフ=ジェローン・クラッペ
                 ウィティカー=ジョー・ドン・ベイカー
ボンドガール/ マリアム・ダボ
■Mの指令で、KGBのコスコフ将軍の亡命を助けたボンド。 だが、英国に渡った将軍は何者かに拉致されてしまう。
しかし、それはすべて仕組まれたもので、事件の陰には将軍と結託した武器商人ウティカーの存在が・・・。
シリーズ25周年記念の本作。 ニューボンドは、ムーアから18年も若返ったティモシー・ダルトンが登場しました。彼自ら
演じるスタントなしの生身のアクションが見所。冒頭のジブラルタル岸壁での宙吊りスタントから、屋根から屋根へ飛び
移るタンジールでのチェイスなど、見応えのある見せ場を熱演しています。 またボンド交替に合わせて、秘書の ミス・
マニーペニーもそれまで務めていたロイス・マックスウェル から、2代目キャロライン・ブリスに世代交替しました。 ”目玉
が飛び出すほど驚く” という意味のタイトル通り、手に汗握るアクション・シーンの連続です。中でも圧巻は3000m上空
での空中ファイト。飛行機のハッチから空中に飛び出したボンドと殺し屋の死闘は、演じるスタントマンも命がけだったそ
うで、撮影に6週間かかったといわれています。 また、本作からボンドカーにアストン・マーチンが復活。今回もまた、ユ
ニークな仕掛けが満載です。ファンには嬉しい復活でした。
 
シリーズ16作目 消されたライセンス (LICENCE TO KILL) / 1989年作品
監督/ ジョン・グレン 敵役/ サンチェス=ロバート・ダビィ
ボンドガール/ キャリー・ローウェル タリシャ・サトウ
■ボンドは、親友で元CIAのフィリックス・ライターと、麻薬王サンチェスを逮捕。が、難なく逃走に成功した彼はライター
に重症を負わせ、彼の新妻を殺害。 怒りに燃えるボンドは任務を離れ、友の為に復讐を誓う。
これまで数々の任務をクールにこなしてきたボンドが、初めて個人的な怒りから行動する、というかつてない危険な設
定の作品。 シリーズ中、異色ながらも新鮮な驚きとドラマティックな面白さにあふれた作品となりました。 原作はフレミ
ングの3作からヒントを得ていますが、シリーズ1作目からほとんどの脚本を書いたリチャード・メイボムの最後の作品と
なりました。(91年死去) ボンドがMに背くシーンは、フロリダのヘミングウェイハウスで撮影されたもので、ボンドの「武
器よ、さらば」 というセリフは、なかなか考えてありますね。 クライマックスのタンクローリー・チェイスは、監督が長年や
りたかったという念願のシーンだそうで、タンクローリーの迫力の片輪走行を体験できます。 また、Qの活躍する場面も
多く、ファンには嬉しい作品です。
 
シリーズ17作目 ゴールデンアイ (GOLDENEYE) / 1995年作品
監督/ マーティン・キャンベル 敵役/ アレック・トレヴェルヤン(006)=ショーン・ビーン
                       ゼニア・オナトップ=ファムケ・ヤンセン
ボンドガール/ イザベラ・スコルプコ
■かつて007との任務中に殺害された006。9年後、ボンドは強奪された兵器 ”ゴーッルデンアイ” の追跡調査のため
ロシア入りをする。だが、世界経済破壊計画を遂行する国際犯罪組織 ”ヤヌス” の首領は死んだはずの006だった。
前作から6年という帰還を経て製作され、ニューボンドに ピアース・ブロスナン を迎え新しいスタートを切った記念碑的
作品です。 すべてにおいてスケールアップを図った作品となっています。 007の上司Mは今回から女性に。 また、ボン
ドカーも従来のアストン・マーチンDB5に加えてBMW−Z3が登場。 本作ではロシア軍と犯罪組織ヤヌスの出現により、
冷戦の緊張感と国家規模の犯罪という危機感が際立っています。 また、劇中の戦車によるカーチェイスは、セットでロ
シアの街並み(サンクト・ペテルブルグ)を見事に再現。古都の質感溢れる街並みを戦車でもって破壊の限りを尽くしま
した。
 
シリーズ18作目 トゥモロー・ネバー・ダイ (TOMORROW NEVER DIE) / 1997年作品
監督/ ロジャー・スポティウッド 敵役/ カーバー=ジョナサン・プライス
ボンドガール/ ミシェル・ヨー
■メディア王カーバーは世界の情報を私物化し、第3次世界大戦を誘発させようと企む。ボンドは中国と英国の衝突を
阻止せんとカーバーの元に潜入。 敵一味の攻撃をすりぬけた彼は、秘密兵器 ”シードリル” を発見する。
巨大メディア王の陰謀という、まさに21世紀への警告ともいえるテーマで描いた作品です。 本作は中国の女スパイ、
ウェイ・リン(ミシェル・ヨー) とのプライドを賭けた共同戦線です。オープニングの戦闘機アクションから、BMWの遠隔操
作でのカーチェイス、高層ビルからの手錠をかけられたままのジャンプ、さらに手錠をかけたまま二人乗りでのバイクチ
ェイスと大暴走します。 ユニークなのは、英国諜報員もビックリ!ウェイ・リンの情報部アジトにある中国開発の秘密兵
器の数々。 そのボンドガール、ミシェル・ヨーは、「荘家の三姉妹」「グリーン・デスティニー」 などの活躍で知られていま
す。 見所は手錠をかけられたままでの二人乗りバイクチェイス。あの重いBMWクルーザー・バイク ”R1200C” でホー・
チミン市の街中を縦横無尽に走り回ります。 圧倒的なスピード感を誇るアクションシーンが息つく間もなく展開されます。
 
シリーズ19作目 ワールド・イズ・ノット・イナフ (THE WORLD IS NOT ENOUGH) /
                                              
1999年作品
監督/ マイケル・アプテッド 敵役/ レナード=ロバート・カーライル 謎/ エレクトラ=ソフィー・マルソー
ボンドガール/ デニース・リチャーズ
■英国石油王がMI-6内で爆死する事件が発生。ボンドは石油王の娘エレクトラを警護するために、カスピ海へ飛ぶ。
そこではテロ組織のリーダー、レナードがロシアの核基地から核弾頭を奪い、巨大パイプラインを破壊しようとしていた。
ボンドは才色兼備の核エキスパート、ジョーンズ博士の協力のもと、闘いを挑む。
いつもながらの華麗なアクションに加えて、サスペンス度が増したシリーズ最新作です。 本作は脚本に女性脚本家を新
たに加え、ボンドが護衛するエレクトラ役にインパクトを加え、ヒューマンドラマをスリリングに展開させました。 さらに、ソ
フィー・マルソーなど、豪華なキャスティングも話題になり、シリーズ最大のヒットとなりました。 敵役には、ロバート・カー
ライル、ボンドガールには人気上昇中のデニース・リチャーズを迎え、いままでにない豪華なラインナップです。 約14分
にも及ぶシリーズ最長のオープニングは圧巻です。久々に007の本拠地イギリスが舞台になりました。テムズ川を疾走
するボートチェイスでは、ブロスナンは方向感覚がなくなるまで自分で操縦しているそうです。 この作品での最大の見せ
場は、モンスター・ヘリとの対決。なんと新車のBMWが真っ二つに切られます。 オープニングからエンディングまで目を
話すことのできないスリリングな展開のこの作品。 まさに20世紀のフィナーレを飾るに相応しい作品となりました。
また、今回はQの部下、”R” が登場。Qに負けないくらいのボケぶりを発揮しています。 (Q役のデズモンド・リューウェ
リンは、この作品の撮影終了後他界されました。シリーズの名物キャラだっただけに惜しまれます。)
20世紀半ばから疾走してきた007、ジェームズ・ボンド。 21世紀はどんなアクションで私達を楽しませてくれるのでしょ
うか。  James Bond Forever!
 
番外編  ネバー・セイ・ネバー・アゲイン (NVER SAY NEVER AGAIN) / 1983年作品
監督/ アービン・カーシュナー 敵役/ ラルゴ=クラウス・マリア・ブランダウアー
                       ブロフェルド=マックス・フォン・シドー
ボンドガール/ バーバラ・カレラ キム・ベイシンジャー
■原爆を搭載したNATOの最新鋭ミサイルが ”スペクター” に奪われた。原爆奪還の指令を受け、ボンドはミサイルが消
えたバハマへと飛ぶ。 そこで出会ったのは美しい愛人を従えた大富豪ラルゴだった・・・。
コネリーズ ボンド カムバック! なんと12年ぶりの復帰作品です。 しかし、製作はまったく別物として作られました。
監督に 「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」 のアービン・カーシュナーを迎え、あのヒット作 「サンダーボール作戦」 をリメイ
クした作品です。 今回は、イアン・フレミングの原作を大幅にスケールアップし、より娯楽性の高いアクション作品として
生まれかわりました。 タイトルの 「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」 は、この企画が出たとき、ボンド役はまだ白紙でコネ
リーは脚本執筆のみの参加だったのですが、コネリー夫人ミシュリーヌが、「2度とやらない なんて言わずに、おやりなさ
い。」 と言ったセリフをそのまま引用したといいます。 ストーリーとしては、「サンダーボール作戦」 と同じ内容ですが、
秘密兵器などが時代に合わせてスケールアップしています。 特に、ラルゴが提案したドミノーションゲーム(世界制覇ゲ
ーム) のシーンは面白いです。他に、壮絶なバイクチェイスが繰り広げられるシーンは、手に汗握ります。 また、万年筆
型ミニ・バズーカ、レーザー光線付腕時計、小型ジェットロケットなど、秘密兵器もパワーアップしています。
役どころでは、ブロフェルドに なんと、マックス・フォン・シドーが演じているところが凄いです。 また、ボンドガールに選ば
れたキム・ベイシンジャー は、公開直前に ”プレイボーイ誌” で見事な肢体を見せ、話題になっていました。
 

 

Produced by "Rick"