la fille sur le pont
橋の上の娘

「橋の上の娘」

1998年 フランス映画

STAFF

監督・カメラ:パトリス・ルコント
脚本:セルジュ・フリードマン
制作:クリスチャン・フェシュネール
制作総指揮:エルベ・トリュフォー
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ

CAST

ダニエル・オートゥイユ
ヴァネッサ・パラディ

 

STORY & REVIEW

パリの橋の上で、ナイフ投げの曲芸師ガボールは
自殺志願の娘アデルを ”的” としてスカウトする。
それはあまりにも運命的な出会いだった・・。
彼女は優しくする男にセックスで答えるが、すぐに捨てられてしまう。
自分の人生は、ツキのなさ以外には失うものは何もないと考えていたのだ。
自分の人生に失望していた彼女はナイフ投げのショーに的として出演。
目隠しをしてのナイフ投げのショーである。
彼女の前にシーツがカーテンのように引かれた。
そして、彼女の身体をかたどるようにナイフが投げられる。
ステージは成功した。ガボール達は、翌日の出演も頼まれる。
そして、カジノのルーレットで勝ちつづけるまでにツキがついてきたアデル。
とうとう自分にもツキがまわってきたのだ。 イタリアに行っても、ショーは成功。
いつしか、アデルと、ガボールは信頼関係ができ、それが愛情へと進んでいった。

ヴァネッサ・パラディ & ダニエル・オートゥイユ

「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」のパトリス・ルコントのこの作品は
”生命を賭けた 触れない愛” を描いた作品です。
人生に失望した若い娘と、売れないナイフ投げの芸人が橋の上で出会い、
彼女を的にする事で旅が始まり、ステージのナイフ投げ自体が愛の交歓となる、
文字通り生命を賭けた、触れない愛が繰り広げられます。
ガボールは、ナイフ投げに全身全霊を傾け、アデルは自分に向けられたナイフが
身体をかすめて的につきささるとき、死と官能に陶酔するのです。
ナイフが1本、また1本と身体すれすれに刺さるたびに漏れる吐息が、とてもエロティックです。
”触れない愛”・・・二人の間には、直に触れ合うような性的なやりとりはありません。
しかし、ドキドキするほどの官能的な、求め合う瞬間と応じ合う恍惚があるのです。

「髪結いの亭主」「仕立て屋の恋」では、男から見た ”愛に対する絶望感” を
一方通行に描いていたルコントですが、この「橋の上の娘」では、
”愛を信じようとする男女”を双方向から描きました。
また、モノクロの映像も素晴らしい。 ルコントは、「現実からのズレを強調し、
空想的でミステリアスな感覚を膨らませるため。」モノクロにしたと言います。

幻想と緊張、どこか現実的でありながら、非日常的な愛の物語。
絶望の淵にいた女性と売れない芸人の運命の出会い。
人生のどん底の二人なのに、この躍動感に満ちた思いはなんだろう・・。

Produced by "Rick"
(2000.4.4
名古屋シルバー劇場にて)