8月13日 浮世絵ミステリーゾーン 高橋克彦 (株)講談社 読後満足度:A


   この本が改めて浮世絵の世界を再認識させてくれた。
   
    @ 浮世絵は、大衆向けに絵師,彫師,刷師の職人によって作られたもの。
    A また゜まだ解きあかされていない世界。米国の美術館には、40万点もの作品が収蔵されている。
       浮世絵の研究家の著者も目にしているのは、1万点前後という。
    B 一部の外国人の評価がそのまま日本で受け入れられいてる。日本人自らが評価しなおしてもいいのでは
       ないか。

   この3点が、本書で主張されている骨子である。Bは、ブルーノ・タウトなどの写楽評価が最たるものだ。
   Aについても、画集などで整理されている絵師が、高く評価されている傾向にあるという。
   この本でも3ページ毎に、浮世絵が載っているが、半分は、始めて目にするものだ。
   インターネット上に公開されている浮世絵を集めてみだが、これさえも、整理されないまま、放り出している。
   本書を読んで、再挑戦する気が沸いてきた。

   著者による各分野での代表とされる絵師

     @ 六大美人絵師
          鈴木春信    :  卓抜なドラマ性表現
          鳥居清長    :  健康的な明るさに魅力
          喜多川歌麿  :  人気生む新技法開発
          渓斎英泉    :  一瞬の美を最大限に
          五渡亭国貞  :  移り変わる美の概念
          大蘇芳年    :  新しい美人の創造

     A 六大風景絵師
          歌川豊春    :  遠近法で新鮮な感動
          葛飾北斎    :  遅れて来た巨人
          歌川国芳    :  葬られた「近代感覚」
          歌川広重    :  あふれる日本人の心
          小林清親    :  光と影に本領を発揮
          井上安冶    :  驚くべき早熟の天才

     B 五大役者絵師
          勝川春章    :  初のリアリズム導入
          東州斎写楽  :  知名度はナンバーワン
          歌川豊国    :  役者絵最高の到達点
          歌川国政    :  写楽を追いかけた男
          豊原国周    :  価値を見抜けぬ側に責任

    井上安冶は、始めて知った絵師であるが、各絵師の寸評がおもしろい。(220)