No.003
「I am RED !」
2000.11.20
text by RB(あーるびー)

 

 

一瞬、時が止まった。延長前半5分、土橋の左足から放たれたボールは、美しい弧を描きながら、静かにゴールに吸い込まれていった。

大歓声とともに舞い上がる紙ふぶき。待ちに待った時が訪れた。1年前の涙のVゴールから358日。それは、1年前とは違う涙で包まれたゴールであった。

しかし、である。

土橋選手の見事なVゴールに歓喜の声を上げたのは確かである。しかし、それよりも私は、駒場スタジアムを“赤”で埋め尽くしたレッズサポーターを見て、感慨深い思いがした。

Jリーグの他のチームにも、ホーム、アウェイに関わらず、組織だった大声援を送り続けているチームはたくさんある。特に、ホームスタジアムでのアントラーズ、ジュビロ、エスパルスのサポーターの大応援は、初めてスタジアムに足を運んだ人にとっては、鳥肌が立つほど心の底まで感じるものがあるに違いない。けれども、浦和レッズのそれは、明らかに他のチームとは違うものを感じてしまうのは私だけであろうか。アントラーズの赤、ジュビロの青、エスパルスのオレンジ。確かに、統率の取れた声援からは、サポーターのチームに対する想いは伝わってくる。しかし、レッズの“RED”から伝わってくるそれは、他チームとは一線を画すものがある。レッズサポーターも、他チームのサポーター同様、組織だった応援を繰り広げているのだけれども、「何か」が違うのである。

一体、何が違うのであろうか。それは、「個の輝き」である。集団での応援の中にも、様々な想いを胸にスタジアムに足を運んできたサポーター1人1人が、強烈な輝きを放っているのである。「サポーター」というたった一言で一括りにされてしまいがちな集団の中に「個」が埋もれてしまうことなく、試合終了まで、それぞれの「主張」を続けている。「We are REDS!」の叫びの裏に、「“I” am RED!」が聞こえてくるのである。358日前、J2降格が決まった時、小野をはじめとした主力選手はJ1のチームへ移籍か、とも思われた。しかし、誰一人として移籍することなく、1年でJ1に復帰しようと心に決めた。そこには、「こんなに素晴らしいサポーターがついているんだから。」という想いとともに、選手1人1人も「I am RED!」なのだとを感じたに違いない。

そして、選手、サポーターのそれぞれの「I am RED!」の中に共通にあるものは、チームに対する「誇り」である。チームが勝っても負けてもその誇りは変わることがない。

さぁ、来年はJ1だ!「RED」達の逆襲が始まる!

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