No.005
過渡期を迎えた今
〜2ステージ制を考える〜
2000.12.01
text by RB(あーるびー)

 

 

8年目を迎えた今年のJリーグ。J1の2ndステージは最終節まで優勝争いがもつれ、J2も最後の最後VゴールでJ1昇格チームが決定するという、過去稀に見る盛り上がりをみせた。

しかし、この盛り上がりの影でどうも腑に落ちないことがある。それは、現在J1リーグで採用している2ステージ制システムについてである。これは今年に限ったことではないが、今のこの時期になって突如として1stステージ優勝チームの名が出てくることには違和感を覚えてしまう。そして、リーグ戦を行う上での根底条件である「環境の平等」は果たして保たれているのであろうか、と。ここでは、2ステージ制を用いることによる利点、欠点の両面からこの疑問について考えてみたいと思う。

まず、2ステージ制を用いることによる利点について考えてみたい。現行の方式では、1ステージで各チーム1回戦ずつの総当りであるから、1チーム当たりたったの15試合でステージ優勝が決することになる。15試合というこの数字、はっきり言って“短期決戦”と呼ばざるを得ない。そのため、今年の2ndステージに象徴されるように、短期決戦特有の、優勝争いが終盤までもつれるという現象が起こることは必至である。見ている方としては面白い。しかも、優勝争いがもつれることによって、第14節G大阪vs鹿島(万博記念競技場)のように、普段は満員になることがないスタジアムまでをも観客で埋め尽くし、さらにチャンピョンシップと銘打って行われる2試合も含めれば、興行的にも大きな利点をもたらすことになる。

次に、2ステージ制の欠点について。これについて考えたとき1番に頭に浮かんでくる問題は、前述した「環境の平等」である。誤解のないように予め言っておくが、ここで言う「環境」とは、スタジアムや練習グラウンドの設備などに類するものではない。1回戦の総当り制というシステムによる「ホームアドバンテージ」の偏りに関するものである。まず、15という試合数をみただけでも、ホームとアウェイで行う試合数が異なる。地域密着型のチームを目指すJリーグにあって、現在その理念が達成されているチームが少なく、ホームアドバンテージが海外のリーグ程顕著ではないにせよ、これは明らかに平等とは言い難い状況である。さらに、上位チームとのアウェイでの対戦と、下位チームとのホームでの対戦が、同じ勝ち点というものおかしい。

興行的利点と環境の不平等という欠点。物事には常に長短が存在し、それらは表裏一体をなすものである。何を優先し、何に目を瞑るか。まだ若く幼いJリーグにとっては難しい問題かもしれない。

やっと小学生になったばかりのJリーグに対して、今回私が抱いた疑問はただの1例に過ぎない。サポーター1人1人が現状に満足することなく、常に新しい疑問を投げかけ考えることが、10年後、20年後のJリーグの姿となって表れるに違いない。

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