No.014
気分はAlbert Einstein
2001.02.02
text by RB(あーるびー)

 

 

ルールを全く知らないスポーツを見ることは、意外な程に面白いものであった。

先日行われたスーパーボウル。アメフト界最高峰のリーグと言われるNFLのチャンピオンを決定するゲームを、私は、各誌で報じられていた試合展開予想の一部を、メディアに好奇心を擽られる形で読んだ以外、ルールに関しては一切の知識を持たないまま見ることになった。

テレビ解説者の言葉をヒントにしながら、一つ一つのプレーを自分の目で見て、そこにある法則を見出す。それは、物理学者や数学者にも似たものがあり、0から1を見つけ出す楽しさがあった。

数回毎に変わる攻撃権のうち、なぜか4回目になると大きなキックを蹴る。解説者の口から頻繁に発せられる「ファーストダウン」という言葉。テレビ画面に映し出される『1st&10』の表記。どうやら、4回毎に変わる攻撃権のうちに10ヤード相手陣地に進めばいいらしい。しかし、3回目までのトライで思うような前進ができなかった場合は、4回目の攻撃権を放棄して、相手陣深くにキックを蹴り込む。

なるほど、なるほど。これだけでも格段にゲームを楽しめるようになった。

次に、パスが通らなかった時に聞かれる『インコンプリート』。おそらく『incomplete』であろう。見方にパスが通らなければ前進できない。万が一、相手選手にインターセプトされようものならば形勢逆転大ピンチとなる。

さらに、アメフトというスポーツは、ボールが地面に触れる、もしくは、ボールを保持している選手が地面に倒れ込むとゲームがストップするらしい。したがって、パスがワンバウンドしてしまった場合、そのボールをキャッチしても(実際は、相手選手からの凄まじいまでのプレッシャーの中で、バウンドした楕円球を掴むのは至難の技である)『incomplete』となってしまうのだ。

10ヤード進んで攻撃権を保持し続けるために、一気に長い距離を稼ぎたい時はパス。残り2,3ヤードの短い距離を進みたい時はラン。ルールばかりか、何と、ごく初歩的な“戦術”までをも発見してしまったではないか。アメフト通の人には「“戦術”なんて呼べる程のものではないよ。」と笑われてしまうかもしれないが、素人の私にとってはとにもかくにも大発見である。

と、まぁ、細かな反則を除けば、私がこの1試合で見つけた「法則」はこんなものであるが、ゲームを楽しむためには必要最低限のものは網羅していたと思う。実際、ルールや戦術を見つけ出す楽しさと併せて、ゲーム自体もそれなりに楽しむことができた。

しかし、アメフトという、私にとっては未知数だった魅力のうち、その一部でも知ってしまった今、もっと知りたいという渇望が沸々と湧いてくることは、ごく自然な成り行きである。アメリカ人を虜にするその魅力をどこまで知ることができるかは分からないが、今回のこの出来事で、私のスポーツ観戦リストの項目がまた一つ増えてしまったことは確かである。

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