No.022
ヒーローインタビューの在り方
2001.04.02
text by RB(あーるびー)

 

 

「いや〜、素晴らしいホームランでした。」

試合後のヒーローインタビューでの、インタビュアーのアナウンサーの第一声である。皆さんもよく耳にする言葉であると思う。しかし、何か違和感のようなものを感じないだろうか。

冒頭の発言に対して、マイクを受けられた選手は果たして何と答えれば良いのだろう。「ありがとうございます。」とでも言えば良いのだろうか。いや、それもおかしな話だ。他者が如何に素晴らしいホームランだったと認めてくれたところで、自らが納得できていなければ、「ありがとう」なんて感謝の言葉は出てこない。ましてや、そのアナウンサーのために打ったHRではない訳だし、質問になっていない発言に対して答えようという方が無理がある。

もちろん、冒頭の言葉の裏には、「あの時の気持ちは?」なんていう意味の言葉が暗黙の了解であるかの如く含まれているのだろうということは推測できる。だが、そんな“暗黙の了解”って、一体どこまで通じるものなのだろうか。お立ち台の上で、冒頭のインタビュアーの“感想”を聞かされてマイクを向けられた外国人選手が戸惑う姿を、私は何度か見かけている。

そもそもインタビューって、聞きたいことがあるからわざわざ相手に来てもらって、聞きたかった質問に答えてもらうというものではなかったか。当事者である選手本人にしか分からないであろうことに対して、見ている私達の中にそれを「知りたい」という欲求が生じるからこそ、わざわざ時間や場所をとって、インタビューという場を設けるのである。それを、アナウンサーの“感想”を述べる場にしてどうしようというのであろう。聞きたいことがないのであればヒーローインタビューなどというものはしない方が良いし、聞きたいことがあるのであれば、はっきりとそれらを選手なりの相手に向けてぶつけるべきである。

まさか、慣例になっているからなどという理由で、“何となく”ヒーローインタビューをしている訳ではないだろう(そんなアナウンサーはいないと信じたい)。HRの感想なんかを述べて、その裏にある“暗黙の了解”を相手に察してもらって答えてもらおうなんて、インタビュアー側の単なる怠慢でしかない。

「前の打者が敬遠されました。」なんていう“単なる事実”も、冒頭の“感想”と同じ類のものであることは言うまでもないだろう。

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