No.028
未来の得点王を探せ!
〜『過去』ではなく『未来』を見据えて〜
2001.09.11
text by RB(あーるびー)

 

 

背番号10を背負った中田英寿が苦しんでいる。正確に言えば、中田が所属するパルマというチームが、今シーズンの方向性が見えなくて四苦八苦している。

待ちに待ったセリエA'01-'02年シーズンが始まってまだ2試合目ということもあり、夏のカルチョメルカートに力を入れたチーム程、新チームのスタイル確立のためにこの時期は苦しむことになる。中田自身、今夏はその移籍市場の中心として周囲の人々の様々な憶測を呼び、また、パルマも、新シーズンに向けての選手補強に積極的に力を入れた。(むしろ、他チームの標的にされたこの夏ではあったが。)

そんな中田が、パルマというチームの背番号10を背負い、真にチームの柱として迎えた今シーズン第2節。相手は、夏の選手補強に成功し、今シーズン(毎シーズン?)かなりの期待を集めているインテル・ミラノ。

詳しい試合の経過、結果については、他のサイトを参照してもらうとして、今回は、パルマの試合をたった1試合見ての私の感想を率直に書いてみたいと思う。

まず、確固としたチームのスタイルが未だ確立されず、インテルペースで進んだこの試合。押し込まれる形となったパルマ側の最大の要因は、中田の前方に陣取る2トップの一角を張るミロシェビッチ。彼のプレーはこれまでほとんど見たことがなかったが、今回初めてそのプレーぶりを見て、残念ながら、彼がパルマのスタメンを張っている限り、パルマの上昇は有り得ないと思わざるを得なかった。

まず1つに、球離れが悪過ぎる。簡単に言うと、ボールの持ち過ぎ。ポストになるために引いてきたかと思ったら、後方から上がってきた前向きの選手に簡単にはたくことをせず、自らパサーの役割でもするかのようにドルブルをしながらパスコースを探してしまう。これは、パルマのボール保持者に対するサポートの遅さということを差し引いたとしても彼のマイナス点である。また、中央にドッシリと構えてパスの引き出し役になるべきところを、ボールを触りたいがために、ズルズルと引いてきてしまう。これでは、彼と2トップを組むディバイオや、その後方でパスを送るべき中田のポジション取りが非常に難しくなってしまうのは明らかである。

さらに、彼の性格からして、相手ボールになった時に、前線から積極的にボールを追いまわして味方DFのボール奪取を助けるというようなことをあまり好まないように思われる。どこで相手ボールを奪うのかといった共通の認識が薄く、センシーニやカンナバーロの個人的技量に多分に頼った守備をしている現在のパルマにとって、守備の共通認識がある程度出来上がるであろうシーズン中盤までは、守りに入った時のFWの手助けというものがとても重要になってくるのではないかと思われる。そのため、シーズン序盤での大きな躓きを防ぐためにも、FWの守備ということも念頭において、人選を行うことが重要ではないだろうか。

私がこのような印象を持ってしまった要因として、ミロシェビッチがベンチに下がった後の、パルマのある程度スムーズな展開を見てしまったことが挙げられるとは思うが、これは私の目にだけに映った訳ではなく、多くの人に目撃されていることと思う。

EURO2000で得点王となった彼ではあるが、『過去』ではなく『未来』の得点王を探すことがパルマ上昇の近道だと私は思う。

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