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さゆり保育園の保育

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ひとりひとりの子どもの力を引き出す保育
保育の中で大切にしてきたこと

 私たちは、産休あけからの子どもたちの、「発達のめやす」を30年間の実践の中で作り上げていますが、特に運動や精神発達のもとになる「自分から動こうとする気持ちを引き出す」ことを保育のポイントとして、その土台となるものを確認し合ってきました。

 保護者の仕事も多様化し、労働密度が濃くなっており、特に母親は職場と家庭の両方の重荷を負っているのが現実です。女性が子どもを育てながら働くことに対して、まだまだ理解が十分でない社会の中では職場から一人先に保育園に迎えに行くことに後ろめたさを感じたり、子どもがいることで、思ったような仕事ができずイライラするなど精神的な苦痛を感じながら子育てをしている人も少なくありません。以前に比べ、父親の育児参加も増えてきていますが、長時間労働の中では、平日は九時過ぎの帰宅、週末には疲れもたまり、親子で楽しみ合うゆとりがなく、子育てを楽しいと感じられなくなっている、という声をよく耳にします。
 子どもの中にも、体を硬くつっぱらせたり、笑顔が少ないなどの精神的な緊張と思える姿が見られます。大人の夜型生活が子どもに反映して、0歳児でも、一日のトータル睡眠時間が11〜12時間(平均14時間位は必要)と、少ないため、朝は元気がないとか、動きが少ない等、生き生き遊べない姿が、最近気になっています。

 毎年新しい子どもたちが入園してくる中で、家庭状況、発達の現状等をよく理解し、その子を丸ごと受けとめていきたいと考えています。緊張が感じられる子には、体全体を丸く抱くようにして優しくなでたり、くすぐり遊びでリラックスさせていきます。遊びや生活の中で一対一の関係を大切にし、じっくり相手をする中で、子どもが安心し、「心地よい」「楽しい」と感じてくれるようになります。そのことが、発達の基となります。

 乳児にとって、食べること、眠ることは、生活の中で非常に大きな部分を占めます。
 食事の点では、だいたい4〜5ヶ月で4時間間隔の食事(ミルク)になっています。周囲への気がねから赤ちゃんを泣かせられなくて、泣くとすぐミルクやジュースを飲ませてしまい、それが積み重なり、赤ちゃんは常に何か欲しがり機嫌よく遊べないという状態を繰り返すことが多くあります。子どもが泣くと私達保育者も、食事には30分早いけどと感じながらも、ついつい食べさせていました。そんな時、栄養士から「おいしく食事をすることは、空腹と満腹を知ることではないか」と指摘されました。「子どもにとって悪循環になっていた」と再確認し、食事や睡眠のバランスがうまくとれるよう遊びや散歩を充実することでメリハリを作ってきました。その心地よい状態を保つことにより、意欲的に遊べることが多くなってきたようです。
 睡眠の点でも、朝のスタートから生活リズムに乗れるよう「早寝早起」の習慣を作る工夫をし、24時間の子どもの生活を父母とともに考えていきたいと思います。

 元気よくハイハイすることが少ないと思っていた子が、ある日初めて四ツバイでハイハイした時、「あらすごい!」と驚く保母を見て、とっても嬉しそうに目を光らせ、何度も何度も得意そうに四ツバイを見せてくれました。その時の感動が私達のその子との接し方について考えさせるきっかけになりました。「この子は動きの少ないタイプ」と固定的にとらえていたため、その子の持っている本来の力を引き出せなかったことに気づかされました。その後、じっくり遊びの相手をし、一緒によろこびあう中で、気持ちの通じ合いができ、子どもの方から親しみをよせてくるようになりました。
 一人一人をしっかり受けとめ、共感し合っていく中で、その力をより伸ばしていけるのだと学びました。
 それと平行して家での様子や園での様子について保育参観などを通じて話し合っています。園での生活ぶりに、家とはずいぶん違う、と驚かれる父母もめずらしくありません。時には、「家では危ないからと布団の上でほとんど過ごしていた…」。といった話を聞き、運動発達や、やる気を引き出すためにはどんな事に気をつけたらよいか話し合ったりしました。保育園と家庭との繰り返しの話し合いや、接し方が変わることで、表情も豊かになり、受け身的だった姿から積極的な姿が見られるようになってくるのです。
 子どもの成長から、親も喜びを感じ、よりよい親子関係が築かれていきます。

 以上の中から、「一人一人の子どもの力を引き出すには、精神的安定(安心感)、快の状態(生活リズムを整える)、固定的な見方をせず柔軟に受け止めていく事こそ、子どもの常に持っている成長発達する可能性を引き出すことです。むしろ保育者側にその力量が求められている。」ということを実感しています。

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