愛 猫 を 守 る た め の 知 識

我が家の愛猫 『 くーちゃん 』 が、『 慢性腎不全 』 になった。

こんな悲しい思いをしないで済むように。

飼主の皆さん。注意してあげてください。

猫とは・・・

特に猫は他の動物と比較して、たんぱく質の要求量が高く、 水分摂取が極めて少なく濃いオシッコをするという特徴をもった動物である事から、 泌尿器への負担が大きく、泌尿器系の病気を起こしやすい動物と言えるでしょう。


腎不全とは・・・

腎臓は 『 ネフロン 』 と呼ばれる機能ユニットが数千個集まって 構成された臓器ですが、このネフロンは、一度壊れてしまうと2度と元には戻りません。
しかし、ネフロンの数には十分な余裕があるため、全ネフロンの 75%を失っても、正常な腎機能を果たせるといわれています。
このネフロンが通常より早い速度で崩壊していく病気が 『 慢性腎不全 』 です。したがって、慢性腎不全の猫も全ネフロンの75%が失われていく数年間は、 全くの無症状で、血液検査も何ら異常が現れることはありません。しかし、それ以上のネフロンが 失われると、腎臓の機能に不足が生じ、排泄しなければならない老廃物が体内に残り始めます。
この症状に至ってはじめて血液検査で、 『 BUN 』 や 『 クレアチニン 』と呼ばれる尿素を含む化合物の数値が上がり始め、 そして私たちにもわかる症状が出てくるのです。


腎不全の兆候・・・

最も分かりやすいものは、水をたくさん飲み、 たくさんのオシッコをするという 『 多飲多尿 』 という症状です。
この症状は、血液内の上昇した尿素化合物に体が対応し、 衰えた腎臓の機能を 『 水を余分に飲む 』 ことで補おうとする症状で、 結果的に数値の上昇を食い止めるのに充分なことも多く、時には正常値に押し下げることに成功し、 一見何の異常もなく生活しているように見える事もしばしばです。


『 様子がおかしい 』と思った時には既に重症・・・

犬の場合、このBUNの正常値はおおよそ25mg/dlまで とされていますが、
猫のBUNの正常値は36mg/dlまでなのです。
これば、前述した『 タンパク質の要求量が高く、 水分摂取量が少ない 』という猫の特徴からくるもので、猫は元来高いBUNに慣れており、 多少のBUNの上昇くらいでは、食欲が衰えたり、元気が無くなったりという人や犬のような 病的な症状を表しにくいのです。
このような理由から『水をよく飲むくらいで、普段と変わった ところも無いし、普通に生活しているから大丈夫』と安心してはいけないことを理解して頂けると 思います。

ネフロンの崩壊が進むと、『 多飲多尿 』では補えきれない くらいに体の中に老廃物がたまり、すっかり元気もなくなり、
『 食欲が落ちる 』『 嘔吐 』『 体重減少 』『 貧血 』 『 毛艶が悪い 』 などの症状が現れます。
ここまでくると、もはや重症です。
いわゆる猫の 『 慢性腎不全 』 は、数年という年月をかけて徐々に 腎臓の組織が破壊された(ネフロンが失われた)状態を言い、猫はその状態にうまく適用して よく耐えてくれています。
『 気づいたときにはすでに重症 』 ということを十分に理解して、 『 多飲多尿 』 というキーワードを、決して忘れないようにして下さい。


早期発見には・・・

『 ちょっと痩せてきたみたい 』『 最近、少し元気がないわ 』 など、 愛猫のちょっとした変化にも気をつけ、6歳を過ぎたら定期検診を受けるようにしてください。
定期検診の回数は 『 年に2回 』 が理想です。
猫の1年は人間に換算すれば4年に相当します。 年に2回であっても人間にすれば2年に1回 の割合になります。
若いとき(2〜3歳の時期で健康状態の一番いい頃)に血液検査をし、 腎臓の機能に関する数値を調べてもらっておくこと、そして、尿を採取してその比重を調べてもらっておくこと。 を、お薦めします。
数値に個人差はありますが、 若いときの数値と高齢になってからの数値を比較することで、より正しい判断が可能になります。


最後に・・・

なにより、最近水をよく飲むなと感じたら、 直ちに検査を受けましょう。
『 多飲多尿 』は、猫たちからのSOSの信号です。

今はどんなに元気にしている猫たちにとっても 『 腎不全は すぐ隣に待ち受けている落とし穴 』 だと言う事を忘れないでください。


動物病院で配布している 『 ドクターズアドバイス PEPPY 』(2001年夏号)より抜粋。

アクセスカウンター