Solitaire's Company/essays/PowerOMoney/
自殺をしたいと思うことがある。いや、金がなくて生活苦、とかいう話ではない。
いわゆる「発作的自殺」とはこういうのを言うのかもしれない。それは少年時代の好奇心に似ている。消火器を4階から落っことして人を死なせてしまった小学生がいたが、その子も「こんな高いところから落としたらどうなるか」知りたかっただけだったと言っていたらしい。駅のホームに立っていて、「電車がまいります」のアナウンスを聞きながら、ふと思う。「いま、ここから1メートル先に向かって跳躍したらどうなるか」知りたくはないか。助走を付けて、ホームの端を蹴って宙に舞う。その跳躍は、オリンピックの1シーンのように永遠の一瞬だ。永遠に、着地はありえない。「それがどんな感覚であるのか」知りたいと思う時がある。
しかし、電車を止めた後には恐ろしい結末が待っていると聞く。鉄道会社から寄せられる損害の請求はすさまじい額になるというのだ。それを思うと、冗談にも飛び込む気にはならない。
発作的な自殺すらも及ばぬ力、それが金の力である。