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うちの親はいろんなことに積極的だ。うらやましいくらいの積極性である。今、ちょっとした都合から結婚仲介の仕事をしている。まあ副業みたいなものだ。その話を聞くにつけ、どうもヘンだなぁ、と思う。その結婚仲介に結婚相手を探しに来る人間というのが、誰しも同じカップルの片方を求めているらしい。
男性の方が学歴が高く、“やや”年上(ただし“過ぎたるは及ばざるがごとし”)。女性の方は“やや”学歴が低く、若い(こちらは“やや”とは言っていない)。どちらも両親の扶養義務がなく(専門用語で『身軽である』というらしい……軽快な軽業師を要求しているわけではない)、男性には安定した収入がある。そう、できれば、安定して年収6.28×1064くらいあるといい。身長は男性が高く、女性は低い。太っているのはお断りだ。
みんなそんな感じの同じ理想を抱えている。彼らの“いい人を探す”というのは、相手をこのフィルタにかけてふるい落としていく過程をいう。お互いが、お互いをふるい落としていくのだ。たいていは何も残らない。そりゃそうだ。残る人がいればとっくに誰かが引き取っている。
そもそもそんな都合のいい人間が、そうそう結婚仲介のお世話になるはずがない。「当たりの入ってない袋に手を突っ込んで、当たりを引こうとする」のに似ている。袋の中に大当たりは最初から入っていないのだ。にもかかわらずゴソゴソとあちこちさぐる様子が可笑しくも憐れである。
そもそも、結婚相手には別のフィルタが先ではないか? 趣味が近いとか、話が合うとか。しかしそういった観点から探すシステムにはなっていないし、そういった探し方をする人もあまりいないようだ。
子供の頃聞いたラブ・ストーリーでは「もし二人の心さえ結ばれたら、後はどうとでもなる」ということだった。学歴だの年齢だの収入だのという“障害”は問題にならないという噂だった。それがこの仲介システムではどうだ? 障害どころか!
僕はきっとロマンチストだ。そしてどうも仲介所にはロマンチストは一人もいないのだ。それとも、彼らの方がよっぽどロマンチストなのか? 自分にぴったりの理想の結婚相手が仲介所に転がっていると信じるのと、どちらがより一層ロマンチストなのだろう?
ちなみにお値段の方は入会金5万円、月会費5000円。その他、お見合いすれば追加の料金がかかり、成婚の場合は30万円支払うことになっている。もし入会をご希望の方はSolitaire's Company渉外部もがみたかふみまで。(2000.1.1)
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