Solitaire's Company/essays/Great Pumpkin Waltz//bottom/
友人宅でピーナッツのCDを見かけた。
いや、ザ・ピーナッツのCDではない。(たしかにその友人の趣味からしてザ・ピーナッツのCDを持っていないとは断言できないが……)スヌーピーとチャーリー・ブラウンの、ピーナッツである。テレビ版のサントラか何かのCDらしい。
その中にGreat Pumpkin Waltzというのがあった。僕にしてみればこの名を聞いただけで笑っちゃう代物なのだが、その場にいた人間にはどうもわからなかったようだ。
Great Pumpkin(日本語ではカボチャ大王と訳されている)はハロウィーンの夜、世界で最も誠実なカボチャ畑から飛び立ち、世界中の子供におもちゃを配るとされている。少なくとも、ライナスだけはそれを心の底から信じ、崇拝している。毎年ハロウィーンになると、ライナスはカボチャ畑で夜を明かす。彼は今年こそはカボチャ大王が飛び立つのを見ることができると信じて待つ。
その奇癖のせいで生徒会選挙に負けようと、サリーに嫌われようと、姉のルーシーに迫害されようと、決して彼は信念を曲げない。
これがサンタクロースのパロディであることは明らかだが、本家のサンタクロースの方も最近ではすっかり人気がない。僕が教える塾の生徒たちにサンタクロースについて尋ねてみたが、信じている人間など一人も発見されなかった。中でも「絶対いない」と言い張る生徒たちに「絶対いないと思うなら、その証拠を提出せよ」と言ったのだが、まともにとりあってさえもらえなかった。
世界に一人くらいサンタクロースがいたっていいじゃないか。カボチャ大王がいたっていいじゃないか。一人くらい、信じている子供がいたっていいじゃないか。そのうちには「サンタクロースを信じる子供」自体が伝説化するかもしれない。将来、子供に「昔はサンタクロースを信じている子供がいたんだよ」と言ったら「うそ〜。いるわけないじゃん、そんなの」と言われてしまうかもしれぬ。
ライナスがずっと信じていてくれると嬉しいなぁ。もう連載終わっちゃったけど……。(2000.1.29)
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